2008年02月29日

シベリウス ヴァイオリン協奏曲/ヒラリー・ハーン&サロネン

先日行ったタワレコで聴いて思わず買ってしまいました。





シベリウス ヴァイオリン協奏曲 ヒラリー・ハーン(vn)サロネン&スウェーデン放送響

北欧情緒に満ちた名曲である「シベリウス ヴァイオリン協奏曲」の新譜。演奏するはアメリカ人女流ヴァイオリニストのヒラリー・ハーン以前紹介した「あげひばり」は素晴しかったです)とフィンランド人指揮者のサロネンのコンビ。

ヒラリー・ハーンの奏でるクールとも言える音色はきっとシベリウスにピッタリだろうと以前から思っておりましたが...

いやー非常にいいです???[???i?????????j

第一楽章出だしのヴァイオリンの音色が非常にクリアで透き通った感じで開始されます。フレーズも弱音から丁寧に弾かれて、ゆっくり演奏する部分の溜めと早く演奏する部分のしなやかさが上手くコントラストされております。それにサロネンの指揮のメリハリがはっきりしているため聴き応え充分で満足です。

女性らしく繊細で落ち着いた感じのハーンのヴァイオリンとサロネンのたくましい指揮の対比がなかなかの第二楽章を過ぎ、第一楽章に比べると印象の薄い第三楽章へと向かいます。


第三楽章
は推進力が非常にありハーンのヴァイオリンも絶好調exclamation。特にドライブ感やノリがよく聴いていて爽快の一言。サロネンの指揮もスピーディかつパワフルにオケを率いており迫力満点。これだけ気持ちよく聴けた素晴しい第三楽章は珍しいです。

録音も音をダイレクトに伝えておりよいと思います。(近頃のグラモフォンは一時の不調を脱したか録音の質がよくなっているような気がします。)

緻密さという部分では甘い部分があるのも事実です。しかし現代の若手演奏家がこれだけ思いっきり気持ちよく演奏してくれればそれも些細な事に感じられます。同じスポーティーな演奏なら昔聴いたハイフェッツ盤が有名ですがいかんせんオケの出来が不満で不完全燃焼の演奏でしたが、今回はソリスト、指揮、オケの一体感があり楽章ごとに段々盛り上がってく高揚感もあり今後よく手にとる一枚になりそうです????????


聴いた後「スカッ」として気分がよくなる演奏でした。



<過去に紹介したシベリウスのヴァイオリン協奏曲>


ムター(Vn) プレヴィン指揮 ドレスデン国立O.<1995>




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2008年02月28日

ドビュッシー 交響詩「海」/ブーレーズ&クリーヴランドO.

この曲を聴くと大好きな画家スーラの海の絵(グランキャンのベック・デュ・オック)を思い出します。






ドビュッシー 交響詩「海」他 ブーレーズ&クリーヴランド管弦楽団

ドビュッシーの管弦楽曲の中でも完成度が高く代表作の一つとされるのが「」。海を表題にした音楽は数多くあれどもこれほどイメージとして的確にとらえた作品はないのではないでしょうか。曲は形式がしっかりとしているというより色彩感リズムなどでつながっているような感じがあり、いつも聴いていると浜辺の丘の上から南仏の海を眺めている気分になります。

曲は3部から構成され

1. 「海の夜明けから真昼まで」
2. 「波の戯れ」
3. 「風と海の対話」


となっており印象派の標題音楽といった趣になっております。

今回聴いたのはブーレーズが90年代以降に復帰してから、以前音楽顧問をやっていたクリーヴランド管弦楽団を振った演奏。

ブーレーズの特長はオーケストラサウンドを隅々まで端麗に鳴らすことですが、明晰なバランス感覚も持っており知的な指揮者。ただし70年代の鋭さやキレはやや丸みをおびております。

演奏は(予想通り)鳴り過ぎないが物足りなさもないという洗練されたもの。ツボをしっかりと押さえた演奏でもあり、夜明けの描写など巧みさは見事です。後はクライマックスの築き方も凄いです。

表題性を重視するというよりは純粋に管弦楽曲として首尾一貫指揮しているところなどもいかにもブーレーズらしいです。曲のうつろい変わっていくさまを伝えるスタイルではなく、曲が変化していく姿を厳格に映し出した演奏で感動したというよりもオーケストラサウンドに圧倒されましたexclamation

クリーヴランドのオケも有機的かつ機能的に鳴っていますが、ブーレーズの指揮に多少丸みがあるため四角四面の音ではなく以前のような追い詰められるような緊張感は後退していますが、心に多少ゆとりをもって聴く事が出来個人的にはドビュッシーの音楽ではプラスの要素の方が強いような気がしました。

今回聴いたブーレーズの「海」は実際の海を観ているのではなく、精巧に描かれた海の絵を鑑賞しているような気分になる演奏でした。



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2008年02月27日

レコ芸3月号読者チョイス・マーラー/交響曲第6番<悲劇的>

「究極のオーケストラ超名曲」マーラー 交響曲第6番<悲劇的>


第1位

ma6_brz.jpg

ブーレーズ指揮 ウィーン・フィル <1994>

冷徹までに隅々までクールに鳴らしたマーラー。コッテリした演奏好まない人にオススメ。



第2位

ma6_brn.jpg

バーンスタイン指揮 ウィーン・フィル <1988 Live>

これはレニーらしく濃厚に味付けしたマーラーで圧倒的な説得力があると思います。個人的には一番気に入っています。


第3位

ma6_solti.jpg

ショルティ指揮 シカゴ交響楽団 <1970>

悲劇的の爆演系演奏の代表格。ショルティが徹底的にオーケストラを鳴らしておりここまでやれば立派です。



第4位





テンシュテット指揮 ロンドン・フィル <1991 Live>


第5位

ma_abd.jpg

アバド指揮 シカゴ交響楽団 <1979>

いい意味でも悪い意味でもアバドらしい演奏。個人的にはベルリン・フィル盤の方がよいと思いますが...


この<悲劇的>は聴き手が求めるものによって好みが大きく分かれそうです。スコアを明晰にした感のあるインバル盤、耽美的ともいえるカラヤン盤など個性的な演奏も多いのでいろいろなアプローチが楽しめる曲でもあります。



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2008年02月26日

レコ芸3月号海外盤試聴記特推盤2

レコード芸術3月号の「海外盤試聴記」で筆者の方々が「特推盤」として取り上げたCDを紹介します。
 
 (オペラ・声楽曲、ヒストリカル・コレクターズ)



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2008年02月25日

レコ芸3月号海外盤試聴記特推盤1

レコード芸術3月号の「海外盤試聴記」で筆者の方々が「特推盤」として取り上げたCDを紹介します。
 
(今月の注目盤、交響曲・管弦楽曲・協奏曲、室内楽曲・器楽曲)



<今月の注目盤>





ギュンター・ヴァント〜ミュンヘン・レコーディングス(8CD)

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2008年02月24日

レコード芸術3月号特選盤2

レコード芸術の3月号で特選を獲得したCDを紹介します。
(声楽曲部門〜ビデオ部門)


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2008年02月23日

レコード芸術3月号特選盤1

レコード芸術の3月号で特選を獲得したCDを紹介します。
(交響曲部門〜器楽曲部門)


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2008年02月22日

ドヴォルザーク チェロ協奏曲/フルニエ&セル

今回は(忘れていた)往年の巨匠の演奏を





ドヴォルザーク チェロ協奏曲他 フルニエ&セル ベルリン・フィル

ヴォルザークのチェロ協奏曲は親しみやすい曲調にチェコの雰囲気を醸し出す望郷心をくすぐる雰囲気をもっており古今東西でNO.1の曲といえます。

今回聴きましたのはフランス出身で往年のチェリストであるピエール・フルニエが独奏をつとめ、ジョージ・セルベルリン・フィルのコンビがバックを飾る演奏となっており昔から非常に評判の高い演奏として有名です。(1962年録音)

実はこの演奏かなり昔からもっていたのですが、聴いた覚えがなく?????[???i???j今回始めてじっくり聴いてみた次第です。

まず聴いてみて感じたのはフルニエのチェロが素晴しい????????。とにかくフランス人特有のセンスがよく気品に満ちており優雅さを感じさせます。それでいて自己主張もしっかりしており多少豪快さも加わって絶妙なバランスの上でチェロが奏でられています。

セルはいつも通りアンサンブルを引き締めてシャープな指揮をしており、ベルリン・フィルの音はよく鳴っているが当時としては重量感に欠けるきらいもあり、全体のバランスとしては贅肉を削りすぎたような気がします。(これは好みの問題ですからセルのファンには違和感がないのかもしれません)


フルニエの独奏部分が終わったあとのオーケストラが軌道修正をするかのようにテンポを調整している感じがします。これは自由奔放なフルニエに対して正確にピッチをきざみたいセルといった図式が見えますが結果的に主導権をどちらがとっているかは微妙なところです。ただ最後はピッタリ合わせて壮大なクライマックス築いていくあたりさすがです。

両巨匠の自己主張をしっかりした個性の出た演奏で充分聴き応えがありました。やはり名盤に偽りなしですかね。


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タグ:フルニエ
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2008年02月21日

ドビュッシー 子供の領分/遠山慶子(p)

日本人にこれだけのドビュッシーを弾ける人がいるとは感動です。





ドビュッシー 子供の領分他 遠山慶子(p)

ドビュッシーの音楽は印象派絵画のように光と影のコントラストに微妙なタッチに彩られた曲が多いです。「子供の領分」は愛娘への愛情の証ともいうべき愛らしい曲集。今回聴いたのはベテランピアニストである遠山慶子の演奏。

演奏を聴いているとピアノの音色に心が染められていくような自然体で色彩豊か。「子供の領分」はそれぞれ表題がついていますが、遠山慶子のピアノは純粋に音楽だけで語るのではなくこの表題を感じさせる演奏で、「1.グラドゥス・アド・パルナッスム博士」の出だしからグッとドビュッシーの世界に連れて行かれますし、「4.雪は踊る」などではまさに雪が舞っている姿が目に浮かぶよう。それぞれの曲の引き分けが明確で素晴しいの一言????????

テクニック的には粒をそろえたタッチというのが基本でしょうが、この演奏では「粒を揃えず」弾いている事がドビュッシーの繊細なコントラストを表現するのにプラスに働いております。ベーゼンドルファーの郷愁をさそうような音色も素晴しさに華をそえております。これだけ自分の音をもっているピアニストは貴重な存在です。

次の曲をどんな音色で聴かせてくれるかこれだけワクワクしながら聴いた演奏は久々でした。さすがコルトーの弟子だけのことはあります。「音楽に国境はない」と日頃から思っていますが日本でこれだけドビュッシーを奏でられる人に出会えたのは幸せです。きっと実演を聴くともっと繊細な音色なのでしょう一度聴いて見たいものです。





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2008年02月20日

ベルリン・フィルと第三帝国

栄光の歴史で闇の部分にスポットライトをあてた作品です






ベルリン・フィルと第三帝国〜ドイツ帝国オーケストラ


映画『ベルリン・フィルと子どもたち』の監督、エンリケ・サンチェス・ランチの手によるドキュメンタリー。

栄光に満ちたベルリン・フィルの歴史でタブーとされていたナチス政権下の時代にスポットライトをあてております。ベルリン・オリンピックはリヒャルト・シュトラウスの演奏フルトヴェングラーの第九の演奏などの映像を交えながら、楽団員が当時をふりかえりながら楽団を検証していきます。

こういった闇の部分にも正面から向かい合うスタイルですが日本ではなかなか出来ないですね。



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2008年02月19日

チャイコフスキー 交響曲第5番/テミルカーノフ

同じオーケストラですが全く別のオケに聴こえます。






チャイコフスキー 交響曲第5番他 テミルカーノフ&サンクト・ペテルブルク・フィル

チャイコフスキーの後期3大交響曲で一番個性的な演奏が多い曲が「交響曲第5番」。過剰演出、スコア改版と何をしても意外と聴いていて違和感の曲でもあります。今回聴いたのはお国物といえる「テミルカーノフ&サンクト・ペテルブルク・フィル」のコンビによる演奏。ちなみにサンクト・ペテルブルク・フィルは以前レニングラード・フィルと呼ばれていたオーケストラ、ムラヴィンスキーが王者として君臨していたオケです。

演奏を聴いてまずビックリするのがオケの音。ムラヴィンスキー時代のあの尋常じゃないアンサンブルは見る影もありません?????[???i???j。テミルカーノフが変えたのかソビエトからロシアにシフトする段階で変わったのかはさだかではありませんが完全に別物(どちらかといえば大幅にグレードダウンしていますが)として聴かないと駄目ですね。

テミルカーノフは正確なアンサンブルをベースにする演奏ではなく、演奏速度の緩急楽器のバランスなどを大幅に味付けする演奏をしており一言で言えば「濃厚なロシア的な演奏」をしております。

古臭い感じがあまり感じられないのも特徴的で、これは弦楽セクションなどを意外とスマートな音でまとめているからでしょう。そのかわりロシアのオケの代名詞「暗い」金管、(下品ともいえるほど)は充分鳴っています。

第2・3楽章は意外と地味な仕上がりですが、第1・4楽章は恣意的な演奏に徹しており(好き嫌いは別として)アクはかなり強いです。特に終楽章のティンパニーexclamationの音は鮮烈。あとはやはり金管の音ですね。


指揮者が変わったとはいえこれほど音の変わったオケは聴いた事ないですね。「シャープで切れ味の鋭い」オケから「コテコテドロドロ」オケになるとは、ブラインドで聞き比べて同じオケと思う人はいないのではないでしょうか。ロシア人は自己主張が強いとは前から感じておりましたが、これはテミルカーノフ流の自己主張なのでしょう。





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2008年02月18日

ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」 デュメイ&ピリス

毎日雪の中で生活していると現実逃避したくなる日もあります





ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第5番『春』 デュメイ(Vn)、ピリス(p)

ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第5番『春』」は出だしの旋律が有名な室内楽曲。4楽章構成でしっかりと作曲されており聴き応えも充分にある名曲。演奏は名デュオといっても過言ではないデュメイ(Vn)、ピリス(p)のコンビによるもの。

この「春」に限らずベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは全体的に言える事ですが、自身がピアノの名手であったせいかピアノに対する比重が高い傾向がありモーツァルトなどと比べるとバランスが悪い感じがします。そのあたりを奏者がどう考えて演奏するかも楽しみの一つなのですが。

デュメイは出だしの有名な旋律から思いっきり弾いており、かつ音も美音????????で聴き手を引き寄せます。どのフレーズもよく歌っておりまさにヴァイオリン・ソナタといった感じです。それにピッタリ合わせるのがピリスの絶妙なピアノ。伴奏に徹してしまうと曲の中に埋没しかねないですが「出すぎず引きすぎず」とバランスを巧くとっておりこのあたりはさすがです。第2楽章以降はデュメイもアクセル全開からバランス重視へとシフトチェンジしており、4楽章全体を聴いてみると見通しがよく非常に満足感が強いです。

出だしでヴァイオリンが前面に大きく出ていることで、曲全体としてのヴァイオリンが多少弱い部分が感じられなくなっており演出的にも成功ではないでしょうか????????

下手にはみ出すような音もなく、このコンビはいつもながらお互いの音によく耳を傾けているなあと思います。録音も素晴しいですね。

季節的に春はまだですが気分的には暖かくなりました。





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2008年02月17日

便利な事と手間のかかる事

本日はアナログの話など。

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2008年02月16日

図解オーケストラの楽器

自分はクラシックファンですがピアノ意外の楽器の事はあまり詳しくないです。


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図解オーケストラの楽器/ダイヤグラム・グループ編icon

オーケストラで使用される楽器を図を交えて一つ一つ丁寧にひも解いてくれるのが本書。

各楽器の完成する歴史、種類、音域などなど。楽器の事を知っているようで実は知らなかった事がよく分かります。特になぜそのような楽器が登場したかを知る事が出来るのはうれしいところ。(なにせパーカッションのサンダー・シート<雷鳴板>まで登場しますからびっくりです。)

中世の版画や(下手に写真ではなく)絵による図解が入っているのが非常に見ていて楽しいですしクラシックという世界にもピッタリと合います????????

あと楽器の分類が従来の3分類(管楽器、弦楽器、打楽器)ではなく4分類(気鳴楽器<フルートなど>、膜鳴楽器<ティンパニーなど>、体鳴楽器<木琴など>、弦鳴楽器<ヴァイオリンなど>)となっているのも非常に斬新です。

各楽器がオーケストラのどこに配置されているかという図などもあり意外と役に立つかも。サイズもコンパクトで値段もお手頃でオススメです。



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2008年02月15日

ブラームス ピアノ協奏曲第1番/ルービンシュタイン&メータ

しみじみ聴き入ってしまいました。


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ブラームス ピアノ協奏曲 第1番 ルービンシュタイン(p) メータ&イスラエル・フィル

20世紀を代表するピアニストの一人であるルービンシュタインが引退する1976年(89歳)に録音したのが今回の演奏。

ルービンシュタインはホロヴィッツのようにテクニックで聴く物を圧倒するピアノではなく、聴かせ上手なピアノで聴く者を魅了するピアニストでした。ホロヴィッツはどんな難曲でも「いとも簡単に弾いてしまうタイプ」ならルービンシュタインはどんな簡単な曲でも「一生懸命に弾いているように聴こえるタイプ」といえるでしょうか。

ブラームスのピアノ協奏曲第1番は20代後半に書かれた作品で後年の渋さより覇気とか勢いなどが感じられ聴き応えも充分な大作。交響曲的ともいうべき第一楽章、歌にみちた第二楽章、ピアノが奏でる上方する旋律から始まる推進力のある第三楽章から出来ております。

第一楽章、演奏はオーケストラによる出だしからメータ&イスラエル・フィルの気合が入っておりなかなか。そしてルービンシュタインのピアノが静かに入ってきます。奏でられるピアノは(多少)濁っておりテクニック的にも衰えが感じられますが、音自体は訴えかけてくるものがあり心に響きます。生々しいとも思える音はあの華麗なルービンシュタインの演奏からは想像できません。一音一音自分自身に語りかけているような、人生を振り返っているような感じさえ受けます。第二楽章の淡々とした語らい、第三楽章は最後の力を振り絞って曲と対峙している気迫があり自らのラストメッセージを観客に伝えているかのようです。

過去に何度か聴いていますが巧くないけど非常に耳に残る演奏です。特に第一楽章、第三楽章のピアノの出だしは何ともいいがたい深い音です????????

メータの指揮は多少荒っぽいところがあり緻密さに欠ける部分もありますが覇気が感じられうまくバランスとっています。(60年代〜70年代にかけてのメータは輝いていましたね)録音は普通(デッカとしてはもう一歩かな)。

技術的、完成度などで考えるならライナーと競演した演奏の方がよいでしょうが、円熟した芸術としてそういった部分を越えた味わい深い演奏で自分としてはこちらの方を高く評価したいと思います。89歳にしてこの大曲に挑むあたり立派です。


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2008年02月14日

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第5番?

ラフマニノフといえばピアノの名手。彼の作曲したピアノ協奏曲は4曲あり特に第2番と第3番が有名です。






ラフマニノフ ピアノ協奏曲第5番 シュミット=レオナルディ、クチャル&ヤナーチェク・フィル

今回「ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第5番」のCDが発売される事になりました。

といっても幻の曲が発見されたわけではなく、交響曲第2番をピアノ協奏曲に編曲したものです。

ですから正しくは

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第5番 Op.27
(ヴァレンベルグ編曲<交響曲第2番より>) 

 ヴォルフラム・シュミット=レオナルディ(ピアノ)
 テオドーレ・クチャル指揮
 ヤナーチェク・フィルハーモニー管弦楽団


となります。


ブリリアント・クラシックスのプロデューサーであるピーター・ファン・ヴィンケルが長年温めていた企画だったようで、ラフマニノフの孫にもお墨付きをいただいたようです。

現在発表されている資料を見た限りでは交響曲の第2楽章を除いた3楽章をピアノ協奏曲の3楽章として用いているようです。

元々メロディアスでピアノっぽい曲調のラフマニノフですから意外と違和感なく聴けるような気もしますが。

今度手に入れて聴いてみようかと思います。



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2008年02月13日

バルトーク 管弦楽のための協奏曲/ドゥダメル&ロス・フィル

若手が大曲に挑むそういった感じです。


dudamel_bartok.jpg

バルトーク 管弦楽のための協奏曲/ドゥダメル&ロスアンジェルス・フィル


Gustavo Dudamel & Los Angeles Philharmonic - DG Concerts - Bart?k: Concerto for Orchestra


ベネズエラ出身の若手指揮者ドゥダメルは名門ロスアンジェルス・フィルの音楽監督に2009年から就任する予定ですが、そのコンビでライブ録音されたのが今回の演奏。

演奏を聴いてみるとドゥダメルは若手指揮者で注目されているだけの事はありなかなかの演奏をしております。オケを統率する能力が高く、パワフルにグイグイ引っ張る所など非常に盛り上がる演奏。会場で聴いていた人達はさぞかし満足したのではないでしょうか。

巧みな棒さばき、バランスよく流れる演奏、高揚感もあり非常に盛り上がる演奏...。特に問題ないように思われる演奏ですが、何回か聴くと物足りなさを感じる部分があります。これにはアンサンブルの精度が甘い部分があるためではないかと。バルトークの管弦楽のための協奏曲は非常に緻密に出来ている曲でありますから、曲に対するフォーカスがパッと見で合っている程度では聴こえるべき部分が聴こえなかったり、シャープさに欠けて緩いと感じてしまいます。

この曲の過去の素晴しい演奏は指揮者とオケとの信頼関係が完全に出来上がっている全盛期に録音されているケースがほとんどで、それは文字通り一糸乱れないアンサンブルが求められている結果とも言えます。

まあドゥダメルとロス・フィルのコンビによる演奏が日が浅い中でこれだけの演奏をすれば立派。通常にライブ演奏として楽しむには好演だと思います。

今後ドゥダメルとロスアンジェルス・フィルのコンビが信頼関係を築いて黄金時代を迎えることがあればぜひスタジオ録音で録ってほしい曲です。



<ドゥダメルの紹介記事>

べートーヴェン交響曲5・7

ローマ法王ベネディクト16世バースデイ・コンサート




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タグ:ドゥダメル
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2008年02月12日

J.S.バッハ カンタータ147/リヒター

原点回帰そんな感じの演奏です。





J.S.バッハ カンタータ選集(11曲) リヒター&ミュンヘン・バッハ管弦楽団、他(4CD)

カール・リヒターは往年のドイツ出身の指揮者(オルガンやチェンバロなども演奏していた。)でバッハの演奏では当時絶大の支持がありました。

リヒター&ミュンヘン・バッハ管弦楽団によるバッハ演奏は折り目正しく深遠な格式に満ちた演奏となっており精神的に訴えかけるものが非常に強いです。かくいう自分も昔から「バッハといえばリヒター」という思いがあり愛聴しております。

今回はバッハの声楽曲で一番有名で聴きやすい

カンタータ第147番『心と口と行いと生きざまは』

を久々に聴いてみました。

演奏は今聴いてもやっぱり崇高な演奏です????????。オケのアンサンブルと声楽陣のバランスのよさが目立ちます。テクニックよりも精神的な部分を感じさせるのもカンタータにはふさわしい感じ。

特筆すべきはリヒターの説得力があり確信に満ちた指揮。リヒターの気迫がオケや声楽陣に伝わっているのがよく分かります。

現在では新全集を用いたピリオド奏法による演奏が主流でリヒターのように旧全集を用いた演奏を時代遅れといって片付けてしまう風潮もありますが、「学術的に正しい間違っている」はあるでしょうが鳴っている音楽の質は違うような気がします。自分はあまり古楽器にもこだわりはない方なので聴いていて心地よい演奏はやはりよいと思うのですが。



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2008年02月11日

シューマン 子供の情景/ルプー(p)

叙情的と言うのは簡単ですが、実際表現するのは難しいですね


rupu_shu.jpg

シューマン 子供の情景 他 ルプー(p)

ルプーはルーマニア出身のベテランピアニスト。「千人に一人のリリシスト」などとも呼ばれ、非常に美しい音を奏でるのが特長。

子供の情景」はシューマンが作曲した小品集。技巧的には難易度は低いのですが聴かせる演奏をするには難しい曲です。

ルプーの演奏はいつもながら淡々と弾いているようですが、よく聴くと磨きぬかれたタッチが素晴しく非常に繊細な印象です。フォルテの部分では音が濁らず、ピアノの部分はデリケートなタッチでシューマン特有の物語を語りかけるような曲の世界を表現しています。(若い頃に比べて音の肉付きはよくなっていますが。)

テクニックが冴える演奏ではなく、ルプーの息遣いが感じられ音が彩る表現の多彩さで叙情的というべき演奏となっております。ファンタジー色の濃厚な曲(トロイメライなど)の方がより説得力のあるピアノといえます。叙情的なピアノのお手本になりそうな演奏です。

特に自分が気に入っているのは後半の「10.むきになって」以降、詩的ともいうべき表現力にはただ脱帽です。録音も空間を感じる柔らかい仕上がりとなっており満足です。


テクニック全盛の時代ですが、叙情性という部分について考えさせられる演奏でした。




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タグ:ルプー
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2008年02月10日

バルトーク 管弦楽のための協奏曲/ドゥダメル(iTunes)

本日NHKから電話がありまして「世論調査」に参加いたしました。福田内閣やギョーザ問題、支持政党などの質問に答え10分ほどで終了となりました。この「世論調査」の結果は12日の夜7時のニュースで発表されるとの事です。(自分の意見など何千分の1ですが...)

dudamel_bartok.jpg

バルトーク 管弦楽のための協奏曲/ドゥダメル&ロスアンジェルス・フィル


Gustavo Dudamel & Los Angeles Philharmonic - DG Concerts - Bart?k: Concerto for Orchestra



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