
ホルスト 組曲「惑星」 カラヤン/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
カラヤンが商売上手だったことは事実でしょう。これはよい意味にも悪い意味にもとらえられる事でしょうが、自分はそれも才能の一つなのではないかと思います。
今回聴いた「ホルスト 惑星」の演奏もそういった一面が出ている一枚。オケはウィーン・フィル(1961年録音)
時代がモノラルからステレオへと移り変わろうとしていた1960年代初頭、このテレビのカラー化に匹敵する革新的な技術は凄さを実感しないと分からないものです。
このステレオという技術の素晴らしさを世に知らしめるためカラヤンが選んだ曲は当時無名な曲だった「ホルスト 惑星」。斬新な音響効果が明確に出るという意味を的確に見抜いた選曲は絶妙。このあたりカラヤンの商才が発揮されている面でもあります。
当時知らずに「火星」の出だしを聴いた人は心臓が飛び出るほど驚いたのではないでしょうか。そしてカラヤンの名も脳裏に刻まれた事でしょう。
それが現在では名曲の一つに数えられる有名曲となっているのですからカラヤンの先見の明は確かだったということでしょうか。
さて演奏ですが「非常に強烈な力を感じる演奏」。当時壮年期だったカラヤンも覇気に満ちており豪快、それに美しい音で受けるウィーン・フィルも絶品。さらにデッカの録音、この威力も絶大で三拍子そろった演奏。
カラヤンはこのような鳴っている音で勝負するタイプの曲は非常に巧い指揮者ですが、「惑星」ではその手腕をいかんなく発揮しております。「火星」では絶妙の加速からピークの作り方、「木星」での中間部の歌わせ方、「土星」以降はウィーン・フィルの能力を引き出して幻想的な世界を作り出しております。各星の振り分けが上手ですね。特に多少のキズも気にせず邁進していき推進力があります。
この演奏は当時相当試行錯誤しながら録音されたのではないでしょうか。ウィーン・フィルは(自分に記憶がある限りでは)これ以降「惑星」を録音していないですからねえ。(よほど録音大変だったのでしょうか?)結果として聴こえる音は美しくウィーン・フィルの美点がよく出ています。
そしてデッカの各楽器の分離と構成が見事な録音はまさに職人技。あまり聴こえないような音までしっかりと細かく聴こえるバランスは素晴らしい。木管、金管、打楽器の聴こえ方がよく新鮮な響きとなっております。
カラヤンはベルリン・フィルと1980年代に同曲をデジタルで再録音しております。構成の緻密さや録音のブレンド感は向上しておりますが「演奏に対する熱意」が大きく後退していると感じます。こちらを好む方もいらっしゃるでしょうが自分としてはステレオ盤の方が曲の本質をとらえていると思います。
値段が安く「ちょっと聴いてみるか」という感じで購入して聴いてみたのですが、非常に素晴らしい演奏で満足しております。



初めて「惑星」を聴いた懐かしい演奏がこれです。
文字通りLPが擦り切れるまで聴きました。
が、CDでは持っていません。
久しぶりに聴きたくなりました。
コメントありがとうございます。
知人の話によるとLP盤の方が音質がよいとの事でした。
個人的にCDでも充分楽しめましたが。
LP盤で聴いてきたんですが、さすがにカラヤン、今聴いても鮮烈、素晴らしい演奏と思います。楽器のバランス、録音状態なども今も最高レベルかと思いました。
コメントありがとうございます。
この演奏のジャケットLP盤の方が栄えると思います。音質もよいようでうらやましい限りです。
ロンドンのウエストミンスター寺院にホルストの墓があるのですが、当時はこれほど有名な作曲家ではなかったのではないでしょうか。まさにカラヤンさまさまですね。