
マーラー 交響曲第10番(クック版)全曲 ハーディング&ウィーン・フィル
昨日ブログのサーバーが停止したようで更新出来ず一日遅れての更新であります。(本体のサーバーへの電源供給が止まってしまうのではどうにもならないですからしょうがないでしょうね)
さて今回はマーラーの交響曲第10番をハーディングとウィーン・フィルのコンビが演奏した演奏を聴きました。ご存知かと思いますがこの第10番は未完の曲でありまして、この演奏はクック版の演奏。エディションは「補筆完成全曲版(1976/1989)」でありまして現在最も最終系に近いスコアだと思われます。(2007年録音)
聴いてみた感じとしては「美感が香る非常に分かりやすい演奏」という印象。聴いていると曲の構成がどうなっているか迷子になってしまう曲ですが非常に聴きやすいのがいいです。
このクック版ですが補筆を簡素にしたところがありまして、自分などはちょっとマーラーにしては地味で質素な音楽と感じる曲でありました。それにフレーズなどが散発的で各々は魅力的でもうまく継続的に連鎖していかないと思う部分もありまして、このあたりを奏者がどのようにまとめるかという手腕も聴く上での重要なポイントになります。
さてハーディングの解釈は極めて妥当。このような解釈は普通凡演となる場合が多いのですが、そこは非凡なハーディングですから決して凡演になっておりません。
まず各パートを明確にするのではなく鋭角的な部分をヤスリで削るようにやや丸めのフォルムにしてバランスよく曲の流れをよくしております。これは補筆の意図は薄められますが曲を聴くという観点からは非常によいですね。
ウィーン・フィルの能力をうまく演奏に反映しているのも印象的。ウィーン・フィルの特長である美意識に満ちた独特の音感が充分堪能出来ます。それに難解な部分は各パート楽器の自主性をうまく尊重しておりそれが快活な響きにつながっております。さらに加えるならハーディングのきびきびとした指揮も曲調に華を与えており好感がもてます。
出来としては後半の楽章になるほど素晴しさが増しているように思えます。これは比較的耳慣れた「第1楽章」よりは「第5楽章」に代表される難解でまとめにくい楽章の方がハーディングの意図の効果が発揮されているためでしょうか。
個人的にはこの曲今までいまいちピンとこなかったのですがハーディングの演奏でやっと真価が分かりまして非常に喜んでおります。特に「第4・5楽章」が非常に聴きやすく分かりやすくお気に入り。録音も最近低調だったグラモフォンと思えないほど自然な仕上がりで優秀。とにかくハーディング&ウィーン・フィルのコンビに感謝であります
いつも聴き終わって思うのですが「マーラー 交響曲第10番(クック版)」ですがマーラーの従来の10曲の交響曲と同列として扱うべきかはどうなんでしょうかね?


