2009年11月19日

ミンコフスキ&ルーブル宮音楽隊 金沢公演

ちょっと前のコンサートですが

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ひと昔前になりますが、1980年代初頭の頃、ホグウッドによるモーツァルトの演奏が登場しました。この演奏当時、多くのクラシックファンに鮮烈な印象を残す演奏で、古楽器演奏のさきがけになった事は有名なお話。

しかし当時聞いた時、「目新しい音色だな」とは感じたものの世間で語られているほどの驚きはなかった覚えがあります。それからは特に古楽器オケだからといって率先して聞く事はなかったです。

そんな自分がなぜ今回初来日で金沢に来る「ミンコフスキ&ルーブル宮音楽隊」を聞くことになったかと言えば、先日紹介した「ラモー 管弦楽曲集」のCDを聴いてなかなか印象深かったからに他なりません。


(演奏曲目)


 ハイドン 交響曲第104番<ロンドン>

 モーツァルト セレナード 第9番<ポストホルン>


 (アンコール)

  ラモー 太陽崇拝のための前奏曲

  モーツァルト セレナード第7番<ハフナー>よりロンド

  グルック <ドン・ファン>よりフィナーレ(多分)

  ハイドン 交響曲第94番<驚愕>より第2楽章

 指揮 マルク・ミンコフスキ
 演奏 ルーブル宮音楽隊

 日時 2009年11月3日
 場所 石川県立音楽堂



このコンサート、ちょっと古楽器はなどと抵抗感がある自分と、余り興味がなさそうな嫁で聴いたのですが...。


聞いた印象としては

 「最高」でありました。


まずハイドン

職人肌の作曲家でありますが、小編成オケということもあり、職人芸のような音楽が明確に浮かび上がってきて、音量ではなくアンサンブルを楽しむ「愉快な演奏」となっておりました。ミンコフスキの情熱的で明快な指揮と、反応のよい運動性が高いオケが非常にマッチしておりまして、その優雅で新鮮な響きは「退屈なハイドン」という固定観念を覆すに充分の演奏でありました。(第1楽章の立ち上がりは手探りな演奏という印象でしたが、来日最初の公演という事もあったのでしょう)


次にモーツァルト

この「ポストホルン」セレナード。7楽章編成の大曲、中間の楽章でフルート、オーボエ、ファゴットなどが活躍することでも印象的な曲。

ポストホルンにかけて、トランペット演奏者がポストホルンを吹きながら自転車に乗って郵便配達という粋な演出も印象的でしたが、特に木管パートの掛け合いが素晴らしかった。

木管パートだけ立って並んでの演奏でしたが、その遊び心に満ちた響きは、日頃オケに埋没しがちな木管楽器の素晴らしさを再認識させるものでありました。余り目立たないファゴットにも光を当てる点など小編成オケならではの発見も多かったのも今回の収穫と言えましょうか。

セレナードと言えば、非常に眠たくなるジャンルと思っておりましたが、今回の演奏で印象は一変、その楽しい遊び心に満ちた音楽の世界は無邪気なモーツァルトそのもの。演奏する人は喜び、聴く人は幸せになるモーツァルト節の真骨頂、やはりモーツァルトは実演で聞いてこそよさが分かる作曲家だと認識いたしました。(現に帰って手持ちの演奏を聞いたら爆睡したのはなんともいえませんが)

聴いた後の気分を考えれば、コンサートプログラムの前後半を入れ替えたのは正解だったのではないでしょうか。(最初モーツァルトと思ったらいきなりハイドンが始まった時は驚きましたが。)


アンコールも質・量共にボリューム満点。

元々得意であるラモーの出来栄えは、この作曲家の曲だけを集めたコンサートでもよいと思わせる素晴らしい出来。

<ハフナー>セレナードのソロ・ヴァイオリンが奏でる切れ味のよい耳に残る旋律といい、ラストのハイドン<驚愕>の客席を驚愕させるパフォーマンスも見事。

そして今回一番強烈なイメージを残したのがグルック。不気味で地獄の底に落ちるかのような恐ろしい曲で身震いしてしまいました。

音で楽しませるだけでなく、エンターティナーとしての演出で喜ばせる技術も持っているミンコフスキ。その良好に築かれた演奏者と客席の信頼関係によって、今回コンサートを聞いたみんなは和やかに温かい気持ちで「また来日したら聞きたい」と思ったのではないでしょうか。

そういえばオケの響きが(上手いとは違った意味で)素晴らしかったのですが、曲開始時のきめ細やかなチューニング。コンマスが各パートを丁寧にまわっている姿が非常に印象的。個人的に音楽家のプロ意識にふれたようなひとコマで好感がもてました。



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posted by やったくん at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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