2010年02月28日

シューベルト 序曲全集第1集 C・ベンダ

NAXOSならではの意外なスマッシュヒット

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シューベルト 序曲全集第1集 C・ベンダ&プラハ・シンフォニア


昨日はエネルギーに満ち溢れたベルリオーズを聴いたので多少胃もたれをしております。そこで今回は清涼感あふれるシューベルトの曲でも聴いてみましょうか。

シューベルトで聞かれるのは歌曲、交響曲そして室内楽曲あたりが中心でありましょう。今回はそんなシューベルトでは珍しい部類に入る(今ではほとんどが忘れられた)オペラの序曲などからなる「シューベルト 序曲全集 第1集」を聴いてみる事とします。


<収録曲>

シューベルト

・序曲「ヒュドラウリスになった悪魔」D.4
・序曲「鏡の騎士」D.11
・序曲ニ長調D.12
・序曲ニ長調D.26
・序曲「悪魔の別荘」D.84
・序曲「4年間の歩哨兵勤務」D.190
・序曲「ヴィラ・ベッラのクラウディーネ」D.239
・序曲「サラマンカの友人たち」D.326
・序曲変ロ長調D.470


 演奏 プラハ・シンフォニア
 指揮 クリスティアン・ベンダ
 2006年録音


余り期待しないで軽い気持ちで聴き始めたのですが、10代の曲とは思えないほどしっかりとした内容で、心地よい充実感に満たされる曲集といった印象。

基本的に旋律がしっかりとしているのが特長で、全体的にオーソドックスな構成ながら優しいフォルムに包まれている点がいかにもシューベルトらしいといえましょう。

ベートーヴェン、ウェーバー、ロッシーニなどと重なる時期に作曲された曲ですが、傾向としてははっきりとロマン派と呼んでいい仕上がりとなっているのも興味深い。それは構成が古典派のようにがっちりとしている感じではなく、しなやかで湧き上がるような独特の雰囲気をもっている事からも感じられます。

突き抜けるような猛々しさや、きらめくような華やかさを感じる曲ではないので、本体のオペラ自体が失敗に終わり忘れられた存在になったのも分かるような気もします。

ただどこまでも奥ゆかしく優しくといったシューベルトの資質(美徳?)がよく出ている曲集であり個人的には好印象、後年の交響曲などに相通じるものが感じられる点も興味深いところです。

ベンダとプラハ・シンフォニアのコンビもよい仕事をしております。単にカタログの隙間を埋める演奏ではなく、各曲の特長をよくつかんで丁寧に演奏しており、聴き手に埋もれた曲を再認識させるには充分の説得力をもった演奏に仕上げています。

深くじっくりと聴く種類の曲集ではないでしょうが、一度は聴いておいて損のない曲集だと思います。ゆったりと肩の力を抜いて楽しめる演奏で満足でありました。

このいかにもNAXOSらしいシリーズ「シューベルト 序曲全集」と銘打っており、作曲年代順に発売されるようです。第2集以降も非常に楽しみなシリーズであります。


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posted by やったくん at 22:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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