2010年03月06日

シューマニアーナ6 伊藤恵(P)

久々にご紹介


K.Itoh_schumaniana06.jpg

シューマニアーナ6 伊藤恵


ピアニスト伊藤恵によるシューマニアーナ、今回はちょっとマイナーな部類に入る曲を演奏した第6弾を聴きます。


<収録曲>

シューマン ノヴェレッテン Op.21
シューマン 4つの小品 Op.32

演奏 伊藤 恵(P)

1995、1996年録音


シューマンの手によるいろいろな曲を聴いていると、シューマンにとって妻であるクララの存在がいかに作品を影響を与えているかを思う事があります。

その出会いから結婚までの紆余曲折があった時代は、シューマンにとっては苦難な時代だったかもしれませんが、「幻想曲」「子供の情景」「クライスレリアーナ」など今日ピアノ曲の傑作と呼ばれる作品が生まれているのも何かの因縁でしょうか。

今回の2曲はそういった時期にかかれた作品。ただ上記のポピュラーな作品に隠れて比較的演奏機会が少ない作品(特に4つの小品)でもあります。

ノヴェレッテン」は短編小説集といいましょうか、(実際出版前には表題がついていた作品もあったようですが)聴いているとそれぞれ短いながら一つの話になっているような曲集。シューマンは曲集だとロジカルな仕掛けを施す事がかなり多いのですが、この曲集に関してはそういった部分はあまり感じられません。そういった意味ではロマン派の雰囲気を味わえる曲集と呼べそう。各曲は3部形式を主流に何気にしっかりとした構成で仕上がっているのも印象的。中では「第1曲」が比較的演奏される機会が多いですが、大曲の部類に入る最終曲「第8曲」は6部形式となっており聴きごたえたっぷりの曲で個人的にはおススメの曲でもあります。

4つの小品」はシューマンによるバッハ研究の影響がみられる作品で、ジークや小フーガなど古典的な構成で作曲されているのが特長。それでも聴いているとロマン派の風が感じられるなかなかの逸品であります。

さて演奏を聴いてみますと、伊藤恵のピアノの音色いつもながらしっかりとしております。「オーソドックスな解釈」「ドイツ的ながっしりとした響き」といった印象は今回も共通するもの。いろいろな意味で「シューマニアーナ」シリーズのカラーがはっきりと出た演奏でしょう。

曲調との相性もあってか「4つの小品」がなかなかの仕上がり。古典的な構成の美点が上手く引き出されており歯切れ良いタッチを響かせております。

「ノヴェレッテン」は短編小説といった雰囲気を洗い落として純粋に曲を表現する事に重きをおいた演奏。ロマン的ファンタジーを求めると違和感を感じる人もいるかもしれませんが、個人的に繊細に自己主張をする演奏とは違った魅力があると思います。

今回は余り聴く機会がない曲集でしたが、こういった場合伊藤恵のピアノが自分にとってよい指南になる事がよく分かった演奏で満足であります。

シューマニアーナもボチボチ中盤戦。

続きはまたそのうちご紹介いたします。




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posted by やったくん at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 「シューマニアーナ」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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