2010年03月15日

シューマン ファゴットとピアノのための作品集 ラッツ&小菅優

ファゴットの新しいレパートリーになるでしょうか?

Yukosuge_Schumann.jpg

シューマン ファゴットとピアノのための作品集 ラッツ(ファゴット)、小菅優(ピアノ)


ファゴット(英読みではバズーン)は木管楽器でも地味な印象があります。これは同傾向のオーボエが高音部分がメインであるのに対し、ファゴットは低音部分に魅力がある事にも原因があるかもしれません。

ただオーケストラの中に入ってファゴットが奏でられると非常に効果的に響きます。それはすしのわさびのようにピリッときき、ないと物足りなさが残る感じと似ています。そんなファゴットを独奏に据えた曲というのが非常に少ないのは、楽器の特性上しょうがない事なのかもしれません。

さて今回聴きますのはそんなファゴットの新しいレパートリーの開拓にのりだした一枚であります。チューリヒ・トーンハレ管弦楽団等で主席を務める腕達者なファゴット奏者マティアス・ラッツと小菅優のコンビによる演奏。お題はシューマンのオリジナルをアレンジしたものとなります。

<収録曲>

シューマン ファゴットとピアノのための作品集

・民謡調の5つの小品 Op.102
 (原曲:チェロまたはヴァイオリンとピアノのための)

・アダージョとアレグロ Op.70
 (原曲:ホルンまたはチェロとピアノのための)

・3つのロマンス Op.94
 (原曲:オーボエまたはクラリネットまたはヴァイオリンとピアノのための)

・幻想小曲集 Op.73
 (原曲:クラリネットまたはヴァイオリンまたはチェロとピアノのための)

・森の情景 Op.82(原曲:ピアノのための/ヴォルフガング・レンツ、マティアス・ラッツ編曲)(*)

演奏 マティアス・ラッツ(ファゴット)
   小菅優(ピアノ)

2007年録音



聴いてみるとなかなか気分がなごむ演奏。

木管特有のふくよかさと、出しゃばり過ぎずちょっと奥ゆかしさがあるファゴットの音色、魅力的であります。そういえばファゴットという楽器をじっくり聴いたのは初めてのような気がしますね。

曲ごとの印象は聞く人によりけりではないでしょうか。それは聴き手がオリジナルの原曲に思い入れがあるかによって大きく印象が異なるという事。

自分などはピアノで相当聴いている「森の情景」などはおいしいストレートコーヒーに余計なものが入っているような違和感を覚えてましたし、逆に先入観のない「3つのロマンス」などはシューマンらしい味わいに満ちており結構好みでありました。

演奏者に関してはファゴットのラッツに関しては巧いと思いますが比較対称がないのでなんとも。小菅優のピアノは従来の演奏よりは抑制がきいたもので、ファゴットを前面にたてる伴奏者に徹した印象があります。もう少し華を出してもよかったかもという気もしますが。

全体を通じて聴きやすい耳心地がいい演奏。ただインパクトや強烈さがないのも事実。過去の作曲家があまりソロ楽器としてファゴットを取り上げなかったのはこのあたりにも理由があるかもしれません。

ただし、ファゴットの豊かな響きを堪能したいならば恰好の一枚としておススメ出来る演奏であると思います。




にほんブログ村 クラシックブログへ
posted by やったくん at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 室内楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/143394513

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。