
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番、第1番、ソナタ第1番、レーガー:シャコンヌ、他 庄司紗矢香(2CD)
庄司紗矢香さん、こんな演奏して大丈夫なんだろうか?
そんな思いをもったのが今回聞いた「J.S.バッハ&レーガー 無伴奏ヴァイオリン曲集」。
久々に強烈な一撃でした。
<収録曲>
・レーガー 前奏曲とフーガ ト短調Op.117-2
・J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第1番ト短調BWV1001
・レーガー 前奏曲とフーガ ロ短調Op.117-1
・J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第1番ロ短調BWV1002
・レーガー シャコンヌ ト短調Op.117-4
・J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004
独奏 庄司紗矢香(ヴァイオリン)
2010年8月(パリ、ランファン・ジェジュ教会にて)
庄司紗矢香さんはデビュー当時から継続して聴いているアーティストの一人。
そんな彼女テクニックを駆使して華麗にというスタイルではなくストイックにより内面へと向かっていく傾向があり、実力を発揮するのが内向きにエネルギーが満ちてくるような「室内楽曲」や「独奏曲」となるのは当然。逆に「協奏曲」では真価が分かりにくいアーティストでもあります。現代風にいくらでも朗々と歌い上げる美しい演奏は出来るのにあえてしない頑固さも彼女らしさですが。
今回そんな彼女が選んだのが、20世紀のドイツ人作曲家レーガーと大バッハという異色の取り合わせによるコンセプトアルバム。
このアルバム「レーガーの無伴奏曲」3曲と「バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」からの3曲を交互に並べた構成。最後はバッハのシャコンヌで終わるという代物。
さっそく聞いてみると冒頭のレーガーから沈痛な慟哭とも言える暗く厳しい音が奏でられ、切々と訴えるものがあります。(最初聞いた時は真剣に聞き入ってしまいました。)
この暗い雰囲気をもったままバッハに入っていくのですが、全然違和感なく聞けるというのが凄い。
むしろレーガーが主でバッハが副という印象さえ感じられるのがこのアルバムの存在価値を高めている。
特に庄司紗矢香さんのレーガーに対する没入度が半端ではなく、その曲の真価を始めてとらえたような感じでただ圧倒されるのみ。これを聞いたらレーガーという作曲家に共感を覚える人がいてもおかしくないと思う。
バッハからの3曲も基本すべて短調。開放的な長調の3番をあえて外しているあたり演奏者の明確な意図が垣間見えます。
録音は超優秀。ヴァイオリンの美音のみだけでなく教会の空間をうまくとらえており音楽を堪能できます。
素晴らしくのびやかな音ながら全体的に暗めのトーンが覆っているこの演奏。庄司紗矢香さんが国際的なヴァイオリニストである事を感じさせる充実の演奏でした。ただその若さでこんな境地で演奏して将来大丈夫なんだろうか?と心配してしまう演奏でもありましたが。
この演奏ニョッキ殿のブログでも紹介されております。興味のある方はこちらもご一読を。
さてLFJで庄司紗矢香さんの出演する室内楽曲を聴く予定なのですが今から期待が膨らみます。
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おはようございます。
今頃のコメントで申し訳ありません。
このアルバムはツイッターを拝見して購入しましたが本当に素晴らしく、もともと好きな
庄司さんでしたがますますファンになりました。
ご紹介いただき感謝です!
コメントありがとうございます。
自分も庄司さんますますファンになったようです。
5月に室内楽の演奏を聞くのが今から楽しみです。