2011年04月15日

チャイコフスキー ピアノ協奏曲第2番 ハフ

ちょいとマイナーなチャイコフスキーでも

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チャイコフスキー ピアノ協奏曲全集 ハフ、ヴァンスカ&ミネソタ管弦楽団(2CD)

クラシック音楽、結構「曲の完成度」と「曲の人気」が必ずしも一致しない曲があるように感じております。

ロシア人作曲家チャイコフスキーで言えば「ピアノ協奏曲」がそれに該当すると言えましょうか。


「ピアノ協奏曲1」はクラシック音楽のピアノ協奏曲というジャンルにおいてトップランクの人気を誇る曲。

しかし意外と知られていないのですがチャイコフスキーはピアノ協奏曲を3曲作曲しております。「ピアノ協奏曲3」はいろいろいわくつきの問題作。

そして今回聞く「ピアノ協奏曲2」は技巧的にも完成度も曲としての仕上がりは上記有名曲を凌ぐ出来栄えだと思うのですが...人気がない曲でもあります。ちょっと聞き栄えしないのも理由なのかもしれませんが。




チャイコフスキー ピアノ協奏曲第2番ト長調 Op.44

 独奏 スティーヴン・ハフ(ピアノ)
 指揮 オスモ・ヴァンスカ
 演奏 ミネソタ管弦楽団
 録音 2009年(ライヴ)


ハイぺリオンレーベルの人気シリーズ「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ」の50作目「チャイコフスキー ピアノ協奏曲全集」から。

スティーヴ・ハフはイギリス人ピアニスト、ハイぺリオンレーベルの御三家(ヒューイット、アムラン)に数えられる名手。

バックを支えるのはフィンランド人指揮者ヴァンスカとアメリカのオケであるミネソタ管弦楽団という「ロシア」から離れた異色のトリオによる演奏。

「第一楽章」出だしからミネソタ管の鳴りっぷりと、快調なハフのピアノに魅了されます。ヴァンスカ指揮の棒さばきも曲の構成を明快に再現しており笑ってしまうぐらい爽快。

「第ニ楽章」ピアノ独奏が登場するまで室内楽を思わせる旋律が続く独特で長大な楽章。歌う部分でのコクがやや薄い印象。まあ全体的にドライなトーンで仕上げている演奏ですのでいたしかたないでしょうか。逆にゆるむ部分が少ないので冗長に感じる人にはよいかもしれません。

「第三楽章」アクセル全開で一気に駆け抜けた演奏。ミネソタ管の明るい音色とハフの闊達なピアノが聞いていて気持ちよい。最後に拍手が入っていて「これライヴだったんだ」と知った次第。最近の演奏家はやはりうまいです。

この演奏ロシア臭はいっさいありません。そのためロシア音楽を親しむ方々には不満な演奏ととらえられる演奏かも。ただ単純にこの曲を楽しみたいと思うなら、「余分な要素」を排除してしまったとも言えるこの演奏は聞く事をおススメします。

個人的にはしばらく繰り返し再生をするぐらいツボに入った演奏で大変満足いたしました。(カップリングのピアノ協奏曲1も同様の快演です。)

この「ピアノ協奏曲2」の第二楽章、チャイコフスキーの弟子であるジロティによる「改定版」がありますが、今回はその「ジロティ編」とハフ自身による「ハフ編」も別に録音されており、ハイぺリオンらしい通好みの憎い演出もあります。

そういえば同じロシア人作曲家ラフマニノフのピアノ協奏曲2と3も「人気」の2、「実力」の3と言えますね。「人気実力」を兼ね備えるのはなかなか難しいようです。


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posted by やったくん at 21:10| Comment(2) | TrackBack(0) | 協奏曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ハフのチャイコフスキー、スピード感よく颯爽として切れ味良いですね〜。
チャイコフスキーの第1番と第2番は、CDではなく、ウェブラジオのライブ放送で聴いて、録音持ってます。
たしかに、リヒテルとかホロヴィッツなどがお好きな人には受けないでしょうね。
私はロシア的叙情感の濃い重たい演奏は好まないので、ハフのチャイコフスキーとか、古くはスピード感と力感抜群のカッチェン、かっちりとした構成感で少しクールで爽やかなレーゼルのチャイコフスキーが好きです。

ハフを聴いている方、実力のわりに日本ではそれほど多くはない気がします。
ラフマニノフのピアノ協奏曲全集は有名ですが、Virgin盤リストや小品集、現代物が特に気に入っています。
Posted by yoshimi at 2011年05月09日 10:51
>yoshimi殿

コメントありがとうございます。

ハフのチャイコフスキはアンチ・ロシア的な演奏なのでリヒテルなどとは対極に位置していますね。嫌いな人は嫌いでしょう。でも好む人にはクセになる爽快感があります。

ハフ人気と実力が一致しないピアニストの一人だと思っております。ラフマニノフやサン=サ―ンスのピアノ協奏曲はおススメ。
Posted by 管理人 at 2011年05月11日 22:51
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