LFJ金沢、2日目はポゴレリチのコンサートから
<演奏>
ラ・フォル・ジュルネ金沢
2012年5月4日 14:00開演
石川県立音楽堂コンサートホール
「ショパン ノクターン13」
「ラフマニノフ ピアノソナタ2」
「バラキレフ イスラメイ」
ポゴレリチ(ピアノ)
ポゴレリチと言えば、ショパンコンクールの頃から何かと物議をかもすピアニストという印象が強い。
最近では演奏も個性的で好き嫌いがはっきりするという噂も...
ちょっと興味があったので聞いてみようと思った次第であります。
さて公演。
まずは会場入りすると
舞台では誰かが「ポツポツ」とピアノを弾いてます。
誰か調律でもしているのかと思ったら
弾いているのは「ポゴレリチ本人」(笑)
場内アナウンスでは「リハーサルをしていますのでお静かに」
この状況でリハーサルとは、さすが噂通り...の奇人
<ショパン ノクターン13>
早いピアニスト(ポリーニ、アルゲリッチなど)ならば5分、
思い入れたっぷりに演奏した遠藤郁子さんの演奏で7分強で演奏される曲
さてポゴレリチ...
出だしからありえない程遅い
一音一音をかみしめるように奏でます。
あまりに遅いテンポで感覚が慣れるまでに少々時間が(汗
実はポゴレリチは譜面見ながら演奏していたのですが、
譜めくり担当をしていたS先生
普通の感覚でめくろうと立ちあがって、
実際めくるまでにかなり時間がかかった事からも
いかに遅いかが分かります。
ただ曲全体を均等にスローに設定したのではなく、
しっかり弾きわけをしながら構成しているあたりさすがと感じました。
演奏時間は10分強でありました。
まあこのペースでノクターン全集作ったら3枚組ですな
<ラフマニノフ ピアノソナタ2>
この曲は早いホロヴィッツで22分、通常は25分程度には納まる曲
出だしからスロー、
しかもフレーズの切り方が独特で主題を見失ってしまい
聞いている方が森を彷徨っている状態に...
普通曲を聞く時は、スキー回転の旗門のようなポイントを置いて聞くのですが
不覚にも完全にポイントを見失ってしまいました。
これでは完全に鬼門ですな(汗。
演奏時間は約40分(16分、12分、11分)
最後は難曲で名高い「バラキレフ イスラメイ」
これは(比較的)普通に弾いてましてやや遅めの10分程度
テンポのメリハリをはっきりとつけた演奏。
鮮やかな技巧も堪能させていただきました。
というわけで45分枠を60分強と
マイペースに弾ききったポゴレリチでありました。
(その後の公演は全部遅れましたとさ)
個人的にかなり満足。
ただ解釈が独特なので全体的に疑問符がついた部分が多く
繰り返し聞かないと消化できない演奏でもありました。
ひとまず過去に録音された演奏を聞いてみよう。
(追伸)
その後手持ちにあった「シューマン トッカータ」を聞きましたが
これがなかなか素晴らしい出来でありました。
今後も要注目のピアニストであります。
譜面を見ながら演奏している姿を見てちょいとリヒテルを思い出したのは(ナイショ
ラベル:ラ・フォル・ジュルネ ポゴレリチ