2007年12月03日

クレーメル&ツィメルマン/スーパー・デュオ・リサイタル(2)

本日は昨日のコンサートレビューの続きです



super_duo.jpg


ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調 op.78『雨の歌』

第二楽章

さて問題のアダージョです。この楽章は出だしのピアノの入りでほぼ勝負が決まってしますのですが、ツィメルマンの出だしを聴いて「ゾクッ」ときました。静寂の中から紡ぎだされたタッチはまさに「祈りの歌ぴかぴか(新しい)。この心をこめた一音で自分の心に満足感が広がったのはいうまでもありません。これによりそうクレーメルのヴァイオリンもピッタリ。二人の織りなす豊かなハーモニーを堪能しました。

第三楽章

この楽章は一転して非常に爽やかに演奏されていきます。前楽章の濃厚さと上手く対比され開放感が前面に出てきます。しかし二人とも耳のいい事、絶妙のバランス感覚です。すがすがしい気分で曲は終了しました。ここでひとまず休憩。


ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調 op.108

第一楽章

後半の第3番はピアノが重要な曲となります。ツィメルマンのピアノはと言いますと前曲と違って渋く重量感に重きをおいたタッチとなっており、聴いていて「凄いexclamation」と心の中でつぶやいておりました。クレーメルのヴァイオリンもアクセル全開となり晩年のブラームスの渋い濃い世界を堪能させてくれます。

第二楽章

ここで2回目のアダージョです。今回はクレーメルが主役、どこか物寂しげに美しく奏でており、「慈愛の歌」。個人的には今回のコンサートでこの楽章の演奏がベストだと感じました。正直感動して(家族に見られないように)してしまいました。

第三楽章・第四楽章

このあたりまでいくと音の洪水に身をゆだねてひたすら音楽を堪能しておりましたるんるん。この2楽章ほぼ連続で演奏しておりました。ほのかな香りを残しながら第三楽章は「サラッ」と演奏、そして最終楽章は二人のパワー全開。特にツィメルマンのピアノには圧倒されっぱなし。静と動の巧みな弾き分けをしながら非常に濃密なアンサンブルを展開していきます。そしてフィナーレはピタッと決まり演奏は終了しました。



アンコール


フランクのヴァイオリン・ソナタ(第三楽章・第四楽章)


このコンサート日本でのツアー最終公演という事もあってアンコールはフランクでした。(ラッキー)

演奏はちょっと荒くなっておりましたが、二人とも高テンションで演奏してくれまして燃焼度は高く白熱した演奏となっておりました。


<所感>

全体を通すと満足な演奏会でした。出来からいうと後半になるほど素晴しかったような気がします。残念だったのは各楽章の間に咳をする人が多く多少演奏者のリズムを狂わしていた点でしょうか。値段も格安の7000円で聴けて満足です。

個人的には音的にはこの二人相性がよい感じはしなかったです。(以前同じ曲を演奏したピリシュ&デュメイなどは磁石のように引き寄せあっておりましたから)しかしそこは超一流の演奏家、お互いを認め合いながら相手の長所を上手く引き出しており素晴しいアンサンブルとなっておりました。特にツィメルマンは今度ソロで来日したら一度聴きたいと思っております。あとはこの二人今回演奏した曲を録音してくれる事を願いながら今回のレビュー終了とさせていただきます。



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posted by やったくん at 12:37| Comment(2) | TrackBack(0) | コンサート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
1番&3番共にすごい演奏でした。この2曲は何回聴いてもやはり男の方用の曲だな〜と思えてなりません。特に3番のアルプスのような壮大さと気高さは挑戦すら跳ね除けられそうで。。。

音に関してあまり合わないというご感想をお持ちのようでした。実は私はよくもここまでクレーメルにこういう音を出させたな〜という感覚なのです。
既にCDになっているチョン・キョン・ファとのドゥオをお聞きになった事があればお分かりかと思いますが、あのヒステリック気味のファが実に透明感のある美しい音楽を奏でています。
そして私の感覚からしてとにかく熱くなりすぎてまわりとの調和は???となりかねないクレーメルが、見事にドゥオという溶け込んだ演奏を聞かせてくれた事に、ツィメルマンのすごさを感じました。
それはアンコールのフランクを聞いた時、3楽章のクレーメルのソロの部分を聞いた時に、その思いは強くなりました。これだけ強い演奏を、溶け込むような演奏に変えたという、それだけクレーメルが信頼したツィメルマンの音楽性だったのだと思いました。

こういう音楽会は例えきちんとした値段で聞いたとしても高いとは思わないと思います。しかし最近は値段の割りに良くないという演奏会が多すぎます。
日本のクラシック界の外来に対する評価がもっとシビアになる事を期待します。
Posted by りん〜♪ at 2007年12月03日 14:46
>りん〜♪殿

コメントありがとうございます

クレーメルの「ヒステリック気味のファ」は納得です(笑)。自分も以前にクレーメルは数回実演を聴いた事があったのですが、確かに「ヒステリック気味の音」をしていましたね。でも今回は音色が全然違っていました。(自分は使っている楽器が違っているのかと思いましたが、どうなんでしょう?)

ツィメルマンの音楽性は確かに底知れぬものを感じました。指揮者としても実力を発揮しているところからもそういったカリスマ性をもっているのかもしれませんね。第3番やフランクの最終楽章はクレーメルの演奏が激しかったのツィメルマンがさばききれるかドキドキして聴いていましたが。

演奏会事情に関しては同感。名前や値段だけで人を集めて、最後の方に少しだけ全力を出して終わるオケなんか多いですね。(でもみんな大拍手です<笑>)

本物の演奏を聞き分ける力をつけていかなければならないでしょう。演奏会は行った事に意義があるのではなく、行ってどのように感じたかが大事なのですから。

また今回のような本物の演奏を聴きたいものです。
Posted by 管理人 at 2007年12月03日 18:10
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