
マーラー 交響曲第9番 ラトル&ベルリン・フィル
ラトルはマーラーの交響曲全集を一度完成させているため2度目の録音となります。前回はウィーン・フィルと録音しております(これについては未聴です)。録音は(多分)2007年だと思われます。
最初に演奏を聴いたときは意外とあっさり終わってしまい、ちょっと肩すかし。
でも演奏する曲は自分なりのこだわりをもって自分の音を出すラトル、そんなはずはないと何回か聴いていると少しずつ良い感じになってきました。どうも最初は小さい音量で聴いていたため聴き取れなかったようで。
第一楽章
この楽章は楽器の分離がよく整理がしやすいため一番ラトルの特長がでると思い期待して聴いてみました。かなり音のバランスや鳴らし方にクセがあり「おっ」と思う部分も多かったのですが、全体を通すとまあ無難な演奏といった感じです。これはきっとEMIの録音が音を全体的にまるめて製作したため、絶妙なバランスで鳴っていた音を消してしまったためではないかと思います。いってみれば音の見通しはいいが音の分離が悪いというところでしょうか。
第二楽章
けっこうアクセントを強調したレントラーで、穏やかな田園風景といった部分は後退しています。しかし「きわめて粗野に」とも記されている楽章でもありますから非常に新鮮な印象が強かったです。(2〜3回聴いて最初あった違和感は解消されました。)このあたりのチューニング具合をどうとらえるかが、ラトルを好むか好まないかの境目となるのですが、個人的には結構気に入っています。
第三楽章
前がかりにオーケストラをバリバリ鳴らして突き進む演奏が多い楽章です、これは前楽章をゆったり目に演奏するとメリハリがつき一種の演出効果を得る事になります。しかしラトルは余裕をもってじっくりと演奏していきます。これが各奏者のゆとりとなっているのか非常に巧い演奏となっております。強調する部分はしっかり強調しているため推進力は多少鈍くなっていますが全体的に満足感は充分あると感じました。
第四楽章
感動的なアダージョである最終楽章。曲自体がかなりシンプルとなっているため音の洪水に身をさらす事が出来る楽章でもあります。ラトルはオーケストラを十二分に鳴らしており、カーブで反対車線まではみ出してコーナリングするような規格外の音はありませんが、うねりやクライマックスの作り方などは素晴しく充分感動的な演奏で終了。
全曲を通して聴くと、ラトルの演奏は「やっぱりおもしろい発見があるなあ」と感心しました。楽章間のバランスから各楽器の音までラトルなりのこだわりがあると感じました。いつもながら録音が悪いという点、ラトルの耳が良すぎるのか、曲をはみ出すような強烈な部分がない点が少し残念。その事が超ド級の演奏ではなく優秀な演奏としているような気がします。全体的には充分楽しめ満足しました
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