2008年04月21日

バーンスタイン キャンディード序曲/ラトル&ベルリン・フィル

4月から「題名のない音楽会」のテーマ曲でもおなじみです。

rat_candhi.jpg

バーンスタイン キャンディード序曲/ラトル&ベルリン・フィル


現在ベルリン・フィルのシェフにラトルが就いているのは周知の事実。ただしその評価が皆が期待している結果と結びついていない部分があると思います。ドイツ正統レパートリーを継承していない点などもその理由にあるかもしれません。

今回聴いた「バーンスタイン キャンディード序曲」はラトルの長所が出たお気に入りの演奏。いつもながら打楽器の使い方が巧く、曲のキレも抜群でノリのよい演奏????????。ベルリン・フィルの演奏も安定しており満足度は非常に高いです。(個人的にはバーンスタインの自作自演盤よりもこちらの方が好みです)なにげに録音もよく「スカッexclamation」としたい時によく聴きます。

このような曲にマッチするラトルの特性は、日本人が求めるドイツ伝統の正統性とは相容れない部分がありそうです。まあそれだからこそ新鮮な演奏が聴けるのではという思いもありますが。個人的には期待しております。




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2008年04月14日

ブリテン 4つの海の間奏曲/ジュリーニ&フィルハーモニアO.

イギリスの暗い海やのどかな田園風景が思い起こされます。

britten_giu.jpg

ブリテン 「4つの海の間奏曲」(『ピーター・グライムズ』より)ジュリーニ&フィルハーモニアO.


イギリス人作曲家であるブリテンが作曲したオペラ「ピーター・グライムズ」の間奏曲から4曲を抜粋したのが「4つの海の間奏曲」。今回聴いたのは今は亡き名指揮者であるジュリーニがフィルハーモニアO.を振った演奏。


自分にとっては苦い思い出の曲、なぜならバーンスタイン最後の来日公演の予定曲目だったのですが、自分が行く予定であった京都公演の前にバーンスタインが体調不良で緊急帰国?????[???i???j(その後バーンスタインは亡くなってしまい)まさに悲しき幻の曲となってしまった次第であります。(その後ボストンで振った同じ曲目のコンサートCDも発売されています)


さてこの「ピーター・グライムズ」は(自分は未聴なのですが)イギリスの猟師町が舞台で主人公も猟師。そういう事もあって間奏曲にも海の雰囲気を醸し出しており「海」が好きな自分としては気になる曲でありました。

さて聴いてみた感想は「素晴らしいの一言?????????i?V?????j」。当時まだ若かったジュリーニの引き出す音にはツヤや潤いがあり、それでいてエレガント。さらにイギリス特有のもやもや感や暗くて渋さもよく出ており曲がもっているドラマ性などにも充分配慮がいきとどいており聴いていて非常に満足しました????????。録音も1960年代のEMIらしくブレンド感のある仕上がりとなっており上出来。

1曲目「夜明け」の描写からして巧く、2曲目「日曜日の朝」で極上な朝の風景、3曲目「月の光」では月明かりに照らされた夜の静かな海の景色が味わえます。特に印象的なのは4曲目「」、暗く荒れ狂う海のありさまを巧みに描写しながら決して耳障りではないジュリーニ特有の美徳がいかんなく発揮されております。ジュリーニのジェントルマンっぽい品のよさがイギリスという国に非常にマッチしており、ある種の暗さを和らげており温かみがありますね。

当時ジュリーニとブリテンは親交があったらしく、ジュリーニも非常に親密な共感をもって演奏していたようでその事が非常に説得力のある名演を生んだのでしょう。数多いジュリーニの演奏でも屈指の素晴しい演奏だと思います。


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2008年03月31日

ドヴォルザーク チェコ組曲/マーツァル&チェコ・フィル

ドヴォルザークの隠れた名曲です





ドヴォルザーク チェコ組曲、スーク おとぎ話 マーツァル&チェコ・フィル

ドヴォルザークの曲はチャイコフスキーなどと共に親しみやすいメロディーが印象深い作曲家です。今回聴いたのは作曲者自身の母国であるチェコを題材にした「チェコ組曲」。チェコ人指揮者マーツァルチェコ・フィルのコンビによるお国物の演奏。マーツァルは前々から気になっていた指揮者だったのですが、発売されるCDがSACDで高音質なので価格も高くなかなか手を出せなかったのですが先日HMVで安く売っていたために購入しました。

演奏は温和で明快なアプローチで非常に聴きやすいです。ジャケットのデザインのような田園風景が思い浮かぶような秀演。牧歌的な曲調が主となっておりとにかく聴いていて心地よいです????????

特に印象深いのが第2曲目の「ポルカ」で物憂げな旋律活き活きとした旋律の対比が明確で最後に物憂げな旋律に戻ってくるところなど「はぁ〜」とため息が出てしまいます。多少フィナーレはパワー不足な部分もありますが総じて他の曲も高水準の出来、耳触りがいいのでつい何度も繰り返して聴いてしまう魅力ももっております。

値段の高い事だけあって録音は素晴らしい。出だしの旋律から(iPodでも)音が違う事があきらかになっておりSACDで一度聴いてみたい。

ここで奏でられているのは「刺激」ではなく「和み」、民族音楽的コクに不足すると感じる人もいるでしょうが、自分にはこのぐらいの味付けのほうが丁度よい感じ。これだけすっきりとしたアプローチをしながらしっかり聴かせるマーツァルの手腕は見事ですね。このマーツァル&チェコ・フィルのコンビは昨年で終わっているとは残念でなりません。今後は少しずつマーラーなどの演奏を聴いていこうと考えております。

しかしドヴォルザークのメロディーはいつもながら郷愁を誘いますね。




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2008年03月18日

ストラヴィンスキー 春の祭典/カラヤン(ライブ)

ハルサイを違う角度から攻めた演奏です


kara_live.jpg

ストラヴィンスキー 春の祭典他 カラヤン&BPO(1978LIVE)

1978年8月にルツェルンで行われたライブの「春の祭典」が今回聴いたもの。カラヤン&ベルリン・フィルコンビの演奏です。

カラヤンは「春の祭典」を1964年、1977年の2回録音しており自分は1964年盤を聴いた事があります。聴いた印象はいかにもカラヤン流の演奏といった感じで端麗な「春の祭典」となっており多少違和感を感じた覚えがあります。

しかし期待せずに聴いたこのライブ演奏は全然違います。とにかく熱い演奏

オーケストラを整えて演奏するカラヤンからは想像出来ないほどエネルギッシュに鳴っておりパワフル。特にティンパニー金管は恐れ知らずにガンガン演奏しており(ミスはあるものの)巧さは格別です。まさに音の洪水といった感じでこの演奏のおもしろさは格別exclamation。録音は生々しいドライな音でティンパニーの乾いた響きなどまずまずだと思います。

一般的な「原始的な響き」の「春の祭典」とは全然違い現代オケの音を粗野に鳴らした演奏ですが曲調にマッチしております。とにかくよくまあ乱暴にここまで鳴らしたものです。なにげにクライマックスに向けて曲を盛り上げるカラヤン流の演出は相変わらず流石ですが。

カラヤン自身はミスが入るライブ録音という形態を好んでいなかったようですが、総じて演奏の質が高いスタジオ録音より燃焼度が高いライブ録音の方が感銘度が高いと思います。




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2008年03月06日

モソロフ 鉄工場 他/シャイー&コンセルトヘボウ

この曲を聴くと修学旅行で行った「製鉄所の溶鉱炉」を思い出します。

moso_iron.jpg

モソロフ 鉄工場 他 シャイー&コンセルトヘボウO.

ロシア・アヴァンギャルド音楽の主要な作曲家といわれるモソロフの代表作が「鉄工場」。現代音楽を積極的に行っていたシャイーコンセルトヘボウの演奏。

曲は強烈なインパクトexclamationがあります。単調なリズムにのってホルンなどの楽器が鳴っていくさまはまさに「鉄工所の溶鉱炉???????i?{???j」をほうふつとさせる内容となっており、製鉄所の熱気や働いている人々の姿や声までもが感じられ表題性が高い曲です。

正直耳障りな部分もあり騒々しい曲でもありますが、まさにそれが曲のイメージを作り出している部分でもありそう感じるならば成功といえるでしょう。

シャイーとコンセルとヘボウのコンビによる演奏も見事exclamation、普通に演奏すると聴いているほうが疲れてくるような演奏になりますが、音楽的に客観的に演奏しておりシャープな仕上がりとなっております。

曲の内容も現代音楽のように聴き手を突き放したような感じは無く聴きやすいのではないかと思います。録音もキンキン音を強調するものではなくほどよいブレンド感がありよいですね。

名曲ではないですが、旧ソビエトらしい曲といえる曲です。

ちなみに「アヴァンギャルド」は前衛的といった感じの意味です(念のため)。




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2008年02月28日

ドビュッシー 交響詩「海」/ブーレーズ&クリーヴランドO.

この曲を聴くと大好きな画家スーラの海の絵(グランキャンのベック・デュ・オック)を思い出します。






ドビュッシー 交響詩「海」他 ブーレーズ&クリーヴランド管弦楽団

ドビュッシーの管弦楽曲の中でも完成度が高く代表作の一つとされるのが「」。海を表題にした音楽は数多くあれどもこれほどイメージとして的確にとらえた作品はないのではないでしょうか。曲は形式がしっかりとしているというより色彩感リズムなどでつながっているような感じがあり、いつも聴いていると浜辺の丘の上から南仏の海を眺めている気分になります。

曲は3部から構成され

1. 「海の夜明けから真昼まで」
2. 「波の戯れ」
3. 「風と海の対話」


となっており印象派の標題音楽といった趣になっております。

今回聴いたのはブーレーズが90年代以降に復帰してから、以前音楽顧問をやっていたクリーヴランド管弦楽団を振った演奏。

ブーレーズの特長はオーケストラサウンドを隅々まで端麗に鳴らすことですが、明晰なバランス感覚も持っており知的な指揮者。ただし70年代の鋭さやキレはやや丸みをおびております。

演奏は(予想通り)鳴り過ぎないが物足りなさもないという洗練されたもの。ツボをしっかりと押さえた演奏でもあり、夜明けの描写など巧みさは見事です。後はクライマックスの築き方も凄いです。

表題性を重視するというよりは純粋に管弦楽曲として首尾一貫指揮しているところなどもいかにもブーレーズらしいです。曲のうつろい変わっていくさまを伝えるスタイルではなく、曲が変化していく姿を厳格に映し出した演奏で感動したというよりもオーケストラサウンドに圧倒されましたexclamation

クリーヴランドのオケも有機的かつ機能的に鳴っていますが、ブーレーズの指揮に多少丸みがあるため四角四面の音ではなく以前のような追い詰められるような緊張感は後退していますが、心に多少ゆとりをもって聴く事が出来個人的にはドビュッシーの音楽ではプラスの要素の方が強いような気がしました。

今回聴いたブーレーズの「海」は実際の海を観ているのではなく、精巧に描かれた海の絵を鑑賞しているような気分になる演奏でした。



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2008年02月13日

バルトーク 管弦楽のための協奏曲/ドゥダメル&ロス・フィル

若手が大曲に挑むそういった感じです。


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バルトーク 管弦楽のための協奏曲/ドゥダメル&ロスアンジェルス・フィル


Gustavo Dudamel & Los Angeles Philharmonic - DG Concerts - Bart?k: Concerto for Orchestra


ベネズエラ出身の若手指揮者ドゥダメルは名門ロスアンジェルス・フィルの音楽監督に2009年から就任する予定ですが、そのコンビでライブ録音されたのが今回の演奏。

演奏を聴いてみるとドゥダメルは若手指揮者で注目されているだけの事はありなかなかの演奏をしております。オケを統率する能力が高く、パワフルにグイグイ引っ張る所など非常に盛り上がる演奏。会場で聴いていた人達はさぞかし満足したのではないでしょうか。

巧みな棒さばき、バランスよく流れる演奏、高揚感もあり非常に盛り上がる演奏...。特に問題ないように思われる演奏ですが、何回か聴くと物足りなさを感じる部分があります。これにはアンサンブルの精度が甘い部分があるためではないかと。バルトークの管弦楽のための協奏曲は非常に緻密に出来ている曲でありますから、曲に対するフォーカスがパッと見で合っている程度では聴こえるべき部分が聴こえなかったり、シャープさに欠けて緩いと感じてしまいます。

この曲の過去の素晴しい演奏は指揮者とオケとの信頼関係が完全に出来上がっている全盛期に録音されているケースがほとんどで、それは文字通り一糸乱れないアンサンブルが求められている結果とも言えます。

まあドゥダメルとロス・フィルのコンビによる演奏が日が浅い中でこれだけの演奏をすれば立派。通常にライブ演奏として楽しむには好演だと思います。

今後ドゥダメルとロスアンジェルス・フィルのコンビが信頼関係を築いて黄金時代を迎えることがあればぜひスタジオ録音で録ってほしい曲です。



<ドゥダメルの紹介記事>

べートーヴェン交響曲5・7

ローマ法王ベネディクト16世バースデイ・コンサート




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タグ:ドゥダメル
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2008年02月04日

ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー/プレヴィン

センスとかバランス感覚などは天性のものなのでしょうか?


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ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー プレヴィン(ピアノ、指揮)ピッツバーグ交響楽団


ガーシュウィン/ラプソディ・イン・ブルーは人気のある曲でコンサートでも演奏される事が多いです。しかし演奏者の適性が曲にむいているかと言ったらそうでない場合が結構あります。真面目すぎてイマイチとか楽しいけれど深みがないとか...。

アンドレ・プレヴィンはジャズピアニストあがりの演奏家であり、センスのよさと中庸の美とでもいうバランス感覚の持ち主。ハリウッド的ともいうべき巧みな演出も含んでおり、聴衆を楽しませてそれでいて安心感も与える演奏家です。そのプレヴィンがピッツバーグ交響楽団を弾きふりした演奏が今回聴いた演奏。

プレヴィンの「ラプソディ・イン・ブルー」は誰が聴いても安心のオーソドックスな演奏????????。まずはベースのピアノが巧さが目立ちます。この巧さテクニック的にというよりはセンスがいいといった種類の巧さです。そしてバックの演奏がおしゃれな音になっておりピアノとの掛け合いが絶妙です。そして全体を通して聴くと一つの曲としてバランスよく演奏されているのが分かります。

刺激に満ちた演奏ではないですが、妙に色付けを濃くして特色を出す演奏が多い中、ストレートに演奏して人にうったえかけるものがあるところなどはプレヴィンの天性の才能なのでしょう。

これにはピッツバーグ交響楽団というアメリカのオケがもっている特性も活かされているのはいうまでもありません。さらにフィリップ特有の温かみのある録音も良好です。

聴いた後に「あ〜、いい演奏だった」といえる秀演で満足しました。



<過去の「ラプソディ・イン・ブルー」の紹介記事>

T.トーマス指揮&P ニュー・ワールドSo. <1997>


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2008年01月03日

シュトラウス・コンサ−ト クレメンス・クラウス

正月休みも終わり明日から本格的に始動です。

kra_straus.jpg

シュトラウス・コンサ−トVol.1 クレメンス・クラウス&ウィーン・フィル

シュトラウス・コンサ−トVol.2 クレメンス・クラウス&ウィーン・フィル

本年度のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートはプレートルのエレガントな中にも厳格さがある充実した演奏で久々に楽しめました。来年はバレンボイムですので見ないと思いますので録画した放送を保存しておこうと思います。

さてよくシュトラウスの演奏をする時「ウィーン風」の演奏うんぬんという話が出ます。そこで一番ウィーンらしい演奏をしたのは誰かと聞かれれば(ボスコフスキーなどもいますが)クレメンス・クラウスをあげる人が多いのではないでしょうか?

どの曲も非常に優雅に演奏されており、それでいてべたついた感じはなくさらっとした仕上がりとなっています。いつも聴いていると「ピンと背中を張った貴族」を連想させるような気分になり高貴な雰囲気さえただよっております。

ニューイヤーコンサートが商業的イベントになる前のウィーンで静かに演奏されていた時代の指揮者でウィーン生まれのクラウスにとってシュトラウスの曲は特別思い入れがあったと思われます。ここで演奏されるワルツなどは練習で会得できないウィーンの香りがします。(1950年代の録音)

現代のシュトラウス演奏は多少なりとも「観客に楽しんでもらおう」という思いが感じられますが、クラウスは「私が知っているシュトラウスを紹介しましょう」という思いが感じられます。言ってみればインターナショナルなシュトラウスではなくウィーンのシュトラウスでしょうか。ウィーンの伝統が刻まれたクラウスの演奏はその存在価値が消える事のない貴重な演奏といえるのではないでしょうか。





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2007年12月28日

ワーグナー 管弦楽曲集(ストコフスキー編) セレブリエール

年末はワーグナーが聴きたくなるので昨日に続いての登場です。しかもマイナーな演奏。





ワーグナー ストコフスキー編曲による管弦楽曲集 セレブリエール&ボーンマス交響楽団

ストコフスキーといえばアメリカで活躍した指揮者。曲調を効果的に見せるためには曲自体の編曲もいとわなかった人で、非常に個性的なサウンドとなっており「ストコ節」と呼ばれていました。(実はオーケストラの弦の配置を左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリンと並べる現在オーソドックスな配置を最初に行ったのもストコフスキーです。)

とことんまで音質にもこだわったストコフスキーですが、さすが録音されてから30年以上たつと音も厚化粧ぶりばかりが目立つようになってきており、自分も胃もたれするような音はあまり好みではありませんでした。

先日ナクソスから出ていた「ストコフスキー編曲によるワーグナー」のCDを見つけたので何気に購入しました。

楽劇「ラインの黄金」−第4場:ヴァルハラ城への神々の入場
楽劇「トリスタンとイゾルデ」の交響的合成
舞台神聖祝典劇「パルジファル」 第3幕の音楽
楽劇「ワルキューレ」−第3幕:ヴォータンの別れ - 魔の炎の音楽
楽劇「ワルキューレ」−第3幕:ワルキューレの騎行


演奏を聴いてみて「こりゃおもしろいexclamation」と一気に通して聴きました。

演奏は従来の曲のイメージよりも豪華に華やかに鳴り響きます。声楽パート部分にたくみに楽器をはめ込んでおり、響きが上手くブレンドされて聴いて楽しむ分には効果的。

トリスタンとイゾルデ」では各幕からチョイスした曲をまとめて1曲の管弦楽曲に仕上げた作品で30分程でオペラの雰囲気は味わえる内容となっており楽しめました。「指環」からの3曲は音響的に適度の増幅されておりまして曲を分かりやすくするという意味では成功していると思います。(特に”ヴァルハラ城への神々の入場”の最後なんかは思わずニヤリとしてしまいました。)

指揮者のセレブリエールはストコフスキーの弟子のような存在。セレブリエールの指揮はストコフスキー編曲を意外と真摯に演奏しており、味付けが「うす味」といった感じになっており、ともすれば濃厚になりすぎる部分も中和される結果に結びついておりこの場合はプラスにはたらいております。

録音も映画のサントラを聴いているような作りとなっておりピッタリあっております。ワーグナーのような曲には音響的に優れているデジタル録音から得られる事がいかに大きいかがよく分かりました????????

コテコテのワーグナー好きの人にはオススメしませんが、
昔「ストコ節」が苦手だった人には特にオススメです。





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2007年12月27日

トスカニーニ/ファイナル・コンサート

何となく年末になるとワーグナーが聴きたくなります。そこで(ちょっと変わった)ワーグナー演奏など紹介しましょうか。

tos_wagner_final.jpg

トスカニーニ/ファイナル・コンサート(ステレオ)

1954年4月4日にカーネギーホールで行われた往年の名指揮者トスカニーニのコンサートのライブ録音。

当時87歳のトスカニーニ最後のコンサートで唯一と言っていいステレオ録音による演奏となっております。

演奏された曲目はオール・ワーグナープログラム

楽劇『ローエングリン』〜第1幕前奏曲
楽劇『ジークフリート』〜森の囁き
楽劇『神々の黄昏』〜ジークフリートのラインへの旅
歌劇『タンホイザー』〜序曲とバッカナール
楽劇『マイスタージンガー』〜第1幕前奏曲


タンホイザーの途中でトスカニーニが曲を忘れ混乱したのも有名な話。CDでは上手く編集してあるので破綻なく聴こえますが。

さて演奏に関してですが、これがトスカニーニの演奏?と思うぐらい生ぬるい演奏(聴きようによってはロマンティックともいえますが)の一言。あの息苦しいぐらい圧倒的な緊張感の中から生み出される硬派な音楽は影も形もありません。黒澤明監督の映画がモノクロからカラーに変わった時に感じた違和感と同じような印象を受けました。


これには録音の関係もあるでしょうが、トスカニーニ自身の高齢から来る統率力の低下が大きいような気がします。集中力を継続するのは大変ですから。逆説的に言えば従来のトスカニーニの演奏が好ましいと感じない人には聴きやすいのかもしれません。

音質が良いといえないまでもステレオであるという事も含めて、この演奏が資料的価値が高いのも事実。でもこれを聴いて「トスカニーニってこんな演奏をする人なのか」と思ってしまう人がいるとしたら残念です。

まあ考えてみれば最後のコンサートのライブ録音が残っていた自体凄い出来事ですから、素直に喜ぶべきでしょう。<必聴>ではないですが<一聴の価値>はあると思います。




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2007年12月07日

ドヴォルザーク スラヴ舞曲集(全曲) ドホナーニ

普通好きな演奏を選ぶものですが、好きな曲自体を楽しみたい時もあります





ドヴォルザーク スラヴ舞曲集(全曲) ドホナーニ/クリーヴランド管弦楽団

日本では(なぜか)人気が低いが堅実な指揮をするドイツ人指揮者であるドホナーニが、アメリカ5大オーケストラの一つであるクリーヴランド管弦楽団の主席指揮者時代に録音したドヴォルザーク。(ちなみにドホナーニはヴァントが振っていた北ドイツ放送交響楽団の主席指揮者)

ドヴォルザークのスラブ舞曲はその名の通り各地の民族舞曲を使って作曲した小品集。曲の緩急がはっきりしておりメロディーも親しみやすく誰でも楽しめる曲集となっております。

このスラブ舞曲集は民族性の高い演奏、燃焼度が高い演奏、美しい響きに重心を置いた演奏など数多くの名盤があります。しかし曲の特性もあって脚色の濃いものが多く、楽しめるが純粋に曲をじっくり聴く演奏というのが少ないです。

さてこのドホナーニ盤はといいますと、デッカの録音が優秀な事もあってか非常に艶やかで端正な演奏で純粋に曲を語っており好感がもてます。民族性が薄く(結果的に)その部分でも純粋に曲が楽しめます。それでいて味気なくなっていないところなどドホナーニのセンスがいいのでしょう。(当然民族色豊かな演奏を聴きたい場合は他の演奏を選びますが)

クリーヴランドではセルが振った演奏も有名ですが、交響曲ならともかく小品集は「キーン」と音が鳴るぐらい引き締めた演奏ではソニーの乾いた感じのサウンドとあいまって正直疲れます。

個人的にドホナーニが一番輝いていた時代がクリーヴランドを振っていた時だと思っていますが、日本で発売されたCDは発売後すぐに廃盤になることが多く実力に対して知名度は低かったです。

まああまり目立った特長がないのも事実でそういう面が受けなかったのかなという気もします。(同じような扱いはムーティなどにも当てはまりますが...)

ドヴォルザークのスラヴ舞曲集はよく聴く曲の一つですので追々他の秀演についても語っていきたいと思います。


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2007年11月20日

ベートーヴェン 序曲全集 ジンマン

世の指揮者には全集好きがいますが、デビット・ジンマンなどは該当すると思います。





ベートーヴェン 序曲全集 ジンマン&チューリッヒ・トーンハレ管(2CD)

近頃クラシックCDの新譜というのは減っていますが、ジンマンはその世の流れに逆らっているかのようにどんどんリリースしていきます。

ジンマンは一時期集中的にベートーヴェンシリーズをとっておりまして、この序曲全集というベートーヴェンにしてはマイナーな部類に入る曲集も録音しております。

演奏は一般論でいう「重厚なベートーヴェン」というイメージとは違う印象を与えるものです。

音は引き締まっており響きはクリアでキビキビ演奏しており、爽快な印象を受けます。(まあスポーツ的ともいうべき演奏でしょうか)一部に古楽器を用いており、ピリオド奏法で演奏しているのも「爽快」な印象を受ける要因の一つでしょう。

精神的に深みのある重厚なタイプの演奏ではありませんが、序曲全集として通して聴くには丁度よい感じの(悪い意味ではない)軽快さだと思います。

自分にとっては「さらっ」と聴きたい場合気軽に聴きたい場合などに手に取りたくなる演奏となっております。




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2007年11月08日

魔法使いの弟子〜フレンチ・コンサート デュトワ

近頃めっきり寒くなりましたが、そうなると温かい音楽を聴きたくなります。


duitot.jpg

魔法使いの弟子〜フレンチ・コンサート デュトワ指揮/モントリオール交響楽団

温かいと言えばやはり北欧とかではなく、自分なんかは南仏を連想してしまいます。

フランスと言えば「おしゃれな国」と申しますが、フレンチの音楽もなかなかおしゃれで小粋な作品が多く聴いていて楽しくなるものが多いです。

ただし演奏するとなると「軽快に」とか「愉快に」などを表現するのは難しいらしく立派な演奏はよく耳にするのですが「ワクワク」する演奏が少ないのが現状です。(ポップス調に中身も軽く演奏するのはよく耳にするのですが...)

このような曲を演奏するなら、デュトワ/モントリオール交響楽団のコンビの右に出るものはいないでしょう。

アンサンブルの美しさ曲のバランスの取り方どれをとっても一流。透明度も高くウイットにとんだ演奏で非常に楽しめ幸せな気分になれます????????

収録されている曲で一番有名と思われる「魔法使いの弟子」も非常に秀演????????(とかく音量や迫力で圧倒するタイプの多い同曲で速度やバランスを工夫してアンサンブル勝負で演奏しているあたり凄いですね)

どの曲も心地よく聴け温かくなる演奏です。


収録曲はコチラ
タグ:デュトワ
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2007年09月20日

須賀田礒太郎 作品集 小松一彦&神奈川フィル

日本人には有名な西洋文化を美化する傾向がありますが、その事が日本人がやっているすばらしい仕事を忘れてしまう結果になる場合があります。特にクラシック音楽では日本人作曲家の音楽は忘れられてしまいがちです。

sugata.jpg

須賀田礒太郎 交響的序曲、双龍交遊之舞、生命の律動、東洋の舞姫 小松一彦&神奈川フィル

先日NAXOSから発売されている「日本人作曲家」を取り上げるシリーズがありますが、その中の須賀田礒太郎の作品を聴いてみました。

須賀田礒太郎は横浜出身の戦前活躍した作曲家ですが、戦中に栃木県に疎開してそのままその地で生活したため中央音楽界からは忘れられた存在になってしまったようです。

曲は管弦楽曲集となっておりまして、

皇紀2600年奉納曲である「交響的序曲」、「双龍交遊之舞」

バレエ曲である「生命の律動」

イスラムの雰囲気をもった「東洋の舞姫」という小品

から構成されております。

聴いてみて「非常に分かりやすく聴きやすい」exclamationと思いました。

最初の2曲は奉納曲という事で、和のテイストを重視した曲となっております。雅楽とかに抵抗感がある人にも聴きやすいのではないでしょうか。

「生命の律動」はストラヴィンスキーを意識したような曲となっておりなかなかの曲。

「東洋の舞姫」は小品ながら耳ざわりのよいフレーズとなっており、CMなどに使われてもコンサートのアンコール曲に使われても聴いた人が親しみをもてるような曲。

指揮の小松一彦も丁寧に指揮をしており好感がもてます。

ラヴェルやドビュッシーみたいに凄いわけではないですが、聴いてみると楽しめるアルバムではないでしょうか。

あと片山杜秀の解説はよく書けており勉強になりました。(下手な本で調べるよりは、この解説の方が須賀田礒太郎を知ることが出来ます)

しかしこれだけの曲が「東洋の舞姫」以外は世界初録音とはビックリですね。自分は他の日本人作曲家の曲も聴いてみようと思いました。


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2007年09月18日

R=コルサコフ 《シェエラザード》 ゲルギエフ&キーロフ歌劇場O.

自分は海の絵や海に関する曲が結構好きなんです。そういう自分が最初に買ったCDがシェエラザードだったのですが。






R=コルサコフ 《シェエラザード》、ボロディン 《中央アジアの草原にて》 、バラキレフ イスラメイ ゲルギエフ&キーロフ歌劇場管弦楽団

千夜一夜物語をモチーフにした交響組曲である「シェエラザード」ですが、自分は濃厚な絵巻を堪能したいという思いがあります。

そういう意味では強烈な演奏をする事が多いゲルギエフは最適でしょう。演奏はパワフル&ロマンティック、曲の起伏をスピードの変化中心で対応することで個性的な演奏となっております。

第1曲の海の表現では下手をすれば船酔いするぐらいの明確な起伏をもった演奏。第3曲などはテンポを落としてこれでもかというぐらいロマンティックな妖美な演奏。第4曲ではハイスピードを軸に圧倒的なクライマックスを築いております。

とかくスマートな演奏が最近多いのですが、これだけ濃厚な表現をする事で交響曲的要素ではなく標題音楽的要素を巧く表現しております。さらにキーロフ歌劇場管弦楽団が一生懸命に演奏しており、最高のアンサンブルではないのですが、独特の味わいとなっております。

最初聴いたときはあっという間に飲み込まれ、アラビアンナイトの世界に引き込まれてしまいました。(海の表現で少し酔いましたが。)これを聴くと他の「シェエラザード」が味気ないこと。(あっさりした演奏が好みの人には嫌われそうですが)

一緒に入っている「中央アジアの草原にて」の演奏がモンゴルの草原にいるような気分になる演奏で一服の清涼剤となっております。

録音も生々しく個人的には結構気に入っています。残響が多いので明確な分離を求める人にはSACDの方がよいかもしれません。


指揮者のゲルギエフは出来不出来はありそうですが、一回生演奏を聴いてみたいと思っております。

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posted by やったくん at 17:21| Comment(0) | TrackBack(0) | CD評・管弦楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする