2008年04月15日

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番 ブレンデル(p) ラトル&VPO

近頃春らしくなってきましたので日頃あまり手に取らない穏やかな曲でも


bet_pc4_bre

ベートーヴェン ピアノ協奏曲全集 ブレンデル(p)、ラトル&ウィーン・フィル(3CD)

世界を代表するピアニストの一人ブレンデルラトル&ウィーン・フィルのコンビと演奏したベートーヴェンの演奏が本日聴いた演奏。今回は暖かい曲調の「ピアノ協奏曲第4番」を取り上げます。

まず序奏のウィーン・フィルが素晴らしい。オケがクラシカルな左右対称の配置となっているようで弦楽器の掛け合いが楽しめます。そしてブレンデルのソロが入ってきます。入り方がさりげなく自然それでいてはっきり音が鳴っており非常に巧いです。どのフレーズもコントロールのいきとどいた音と鳴っておりみずみずしいタッチが奏でられます。それに対するラトルは古典的な演奏を意識しながらオケの音を締めておりフレッシュな印象に仕上がっておりブレンデルのピアノとのバランスは自然な感じでよいです。(レヴァインとのコンビでは人工美といった美しさだったので対照的です)

特に最終楽章は躍動感があり非常に華やか、聴いていてわくわくしてきます????????。どちらも知的なアプローチによる演奏で驚くような即興性はないですが、予定調和的な安定感がありリラックスしながら音楽を楽しむにはもってこいの演奏ではないでしょうか。

録音はフィリップス特有の空間をとらえるもので非常によいです。往年の巨匠による演奏もいいですが、小春日和にのんびり効くにはピッタリの演奏。ウィーン・フィルの音も春には合っていますね。

ブレンデルは高齢のため今年(2008年)で引退だそうで残念です。(昔大阪で「ブラームス ピアノ協奏曲第1番」の素晴しい演奏を実演で聴いたのが思い出されます。アバド&ベルリン・フィルもよかったです。)



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2008年04月10日

シューマン ピアノ協奏曲/コルトー&フリッチャイ

完全に弾くことが全てではありません





シューマン ピアノ協奏曲/コルトー(p)&フリッチャイ ベルリンRIAS交響楽団



アルフレッド・コルトーはフランスを代表するピアニストで教育者としても有名です。ロマン派の曲を得意としており今回聴いたのは「シューマン ピアノ協奏曲」。名指揮者であるフリッチャイの指揮。

この演奏出だしからしてただならぬ雰囲気で始まります。コルトーの音は独特な黒光りするような響きでテンポは遅め、晩年という事もあってテクニックは衰えております。

しかしこの素晴らしい表現力直線的ともいえるロマンティックさは心をつかんで離しません。テンポの揺れや変幻自在な強弱ニュアンスのつけ方などはコルトーの真骨頂といえます。コルトーの発するオーラはすざましくシューマンの心情にも肉薄しているのではないかと思わせるぐらい説得力があります。第三楽章のスリル感やスケールの大きさなども凄く濃厚。

コルトーのミスタッチの多い事。でも演奏の完全性を求めるタイプの演奏ではないですからささいな問題ですね。テクニック重視の現代では絶対聴かれないタイプの演奏、熟したワインのような味わいがあり魅力的な演奏。この演奏にこれだけ合わせる事の出来るとはフリッチャイのセンスのよい指揮も流石。影の功労者です。録音はライブのモノラルとしては中の上ぐらいでしょうか。久々に充実したシューマンを堪能でき満足です。



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2008年03月21日

ラフマニノフ ピアノ協奏曲(交響曲第2番編曲)

これはアイデア商品ですね





ラフマニノフ ピアノ協奏曲(交響曲第2番編曲) シュミット=レオナルディ、クチャル&ヤナーチェク・フィル

作曲家ラフマニノフはピアニストとしても有名でした。当然ラフマニノフで人気が高いのはピアノ協奏曲であり人気曲でもあります。今回は近年人気の出てきた甘い旋律が印象的な「交響曲第2番」をピアノ協奏曲に編曲したかなり斬新な演奏。企画したのはブリリアント・クラシックスのプロデューサーヴィンケル(彼の執念がこの演奏を生んだともいえそうです)そして編曲はヴァレンベルグ


さて最初曲を聴いた印象としては「全体的に地味」といったもの。そしてあまりおもしろくないと感じました?????[???i???j。(所詮交響曲の編曲盤という思いもありましたね)

数日後、「この曲は交響曲をどのようにアレンジしたか?」という事だけに集中して聴いていたのではないかとふと気づきました。まあ言って見れば面白半分とでもいいましょうか。これでは曲を楽しめるはずもなく改めて「新しいピアノ協奏曲」として聴いてみようと思い早速聴き直して見ました。

第一楽章でのピアノの出だしは陰りのある暗い音がなかなかラフマニノフっぽい旋律となっています。この楽章はオケとピアノのバランスが一番よく聴き映えします。

第二楽章は甘美なメロディによって始まる楽章。前半の甘美的な部分はピアノソロが入ることでいくらか減退しているような感じがします。逆に後半部分はピアノが入ることで多少ダレ気味になる部分を補っているような感じです。最初イメージしていたほどピアノが入ったことが効果的になっていないような印象でちょっと予想外でした。

第三楽章は快活な楽章、最後にラフマニノフらしく爆発的なパッションもあり雰囲気はうまく出していると思います。この楽章は全体的にオケパートが強くピアノが埋没がちになる点が残念。ピアノパートがオケパートとかぶるような部分が多く跳躍力がないのも原因かもしれません。まあクライマックスを目指して盛り上がって終わりますので聴いた後には満足感はありました。

いろいろ不満点も書いてしまいましたが、交響曲をピアノ協奏曲にアレンジするといった前代未聞の試みなかなか楽しめました。印象としては「ピアノ協奏曲」というよりは「ピアノつき交響的変奏曲」といった感じでしょうか。アレンジという事もありアクロバティックな試みは出来ない中ヴァレンベルグはよく編曲したのではないでしょうか。交響曲を意識して聴くと楽しみ半分、新しい曲として聴いた方がよいと思われます。

このような楽しい企画を行ってくれたメンバー(オケ、指揮者、ピアニスト、録音スタッフ)には感謝です????????。(ぜひ第2弾も期待しております。)






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2008年03月10日

ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番/チョン・キョンファ&ケンペ

新しい録音が必ずしもよいとは限りません。





ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番、他 チョン・キョンファ(vn)ケンペ ロイヤル・フィル

ヴァイオリン協奏曲の中で非常にストレートに分かりやすい曲と思われる「ブルッフのヴァイオリン協奏曲」が今回聴いた演奏。若き日のチョン・キョンファがヴァイオリンをドイツ往年のいぶし銀指揮者のルドルフ・ケンぺ&ロイヤル・フィルのコンビと演奏したもの(1972年録音)

チョン・キョンファといえば情熱的でつねに真っ向から曲に向かっていく姿が印象的ですが、ブルッフに関してはその特性にピッタリあっており充実感のある演奏です。

いつもながら1970年代のチョン・キョンファが奏でるヴァイオリンは弾きっぷりがいい事exclamation。それでいて繊細さも充分あり第二楽章などはしっとりと聴けてこれもいい。豪快さ繊細さのバランスも絶妙でいつも一気に聴き通して聴いております。

ブルッフのヴァイオリン協奏曲はオケを軽くさらっと演奏する指揮者も多いですが、ルドルフ・ケンぺの指揮はたっぷり鳴らしており彫りも深く風格があり、チョン・キョンファのバックを重厚に支えており素晴らしいです????????。録音は脂を削ぎ落としたようなシャープな感じとなっており今回の演奏には合っていると思います。

チョン・キョンファは後にテンシュテットと同曲を再録音しているのですが、落ち着きがありふくよかな音になっておりまして、個人的には情熱的な今回の古い演奏の方が好みであります。(もちろん新しい演奏も悪くはないのですが)






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2008年02月29日

シベリウス ヴァイオリン協奏曲/ヒラリー・ハーン&サロネン

先日行ったタワレコで聴いて思わず買ってしまいました。





シベリウス ヴァイオリン協奏曲 ヒラリー・ハーン(vn)サロネン&スウェーデン放送響

北欧情緒に満ちた名曲である「シベリウス ヴァイオリン協奏曲」の新譜。演奏するはアメリカ人女流ヴァイオリニストのヒラリー・ハーン以前紹介した「あげひばり」は素晴しかったです)とフィンランド人指揮者のサロネンのコンビ。

ヒラリー・ハーンの奏でるクールとも言える音色はきっとシベリウスにピッタリだろうと以前から思っておりましたが...

いやー非常にいいです???[???i?????????j

第一楽章出だしのヴァイオリンの音色が非常にクリアで透き通った感じで開始されます。フレーズも弱音から丁寧に弾かれて、ゆっくり演奏する部分の溜めと早く演奏する部分のしなやかさが上手くコントラストされております。それにサロネンの指揮のメリハリがはっきりしているため聴き応え充分で満足です。

女性らしく繊細で落ち着いた感じのハーンのヴァイオリンとサロネンのたくましい指揮の対比がなかなかの第二楽章を過ぎ、第一楽章に比べると印象の薄い第三楽章へと向かいます。


第三楽章
は推進力が非常にありハーンのヴァイオリンも絶好調exclamation。特にドライブ感やノリがよく聴いていて爽快の一言。サロネンの指揮もスピーディかつパワフルにオケを率いており迫力満点。これだけ気持ちよく聴けた素晴しい第三楽章は珍しいです。

録音も音をダイレクトに伝えておりよいと思います。(近頃のグラモフォンは一時の不調を脱したか録音の質がよくなっているような気がします。)

緻密さという部分では甘い部分があるのも事実です。しかし現代の若手演奏家がこれだけ思いっきり気持ちよく演奏してくれればそれも些細な事に感じられます。同じスポーティーな演奏なら昔聴いたハイフェッツ盤が有名ですがいかんせんオケの出来が不満で不完全燃焼の演奏でしたが、今回はソリスト、指揮、オケの一体感があり楽章ごとに段々盛り上がってく高揚感もあり今後よく手にとる一枚になりそうです????????


聴いた後「スカッ」として気分がよくなる演奏でした。



<過去に紹介したシベリウスのヴァイオリン協奏曲>


ムター(Vn) プレヴィン指揮 ドレスデン国立O.<1995>




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2008年02月22日

ドヴォルザーク チェロ協奏曲/フルニエ&セル

今回は(忘れていた)往年の巨匠の演奏を





ドヴォルザーク チェロ協奏曲他 フルニエ&セル ベルリン・フィル

ヴォルザークのチェロ協奏曲は親しみやすい曲調にチェコの雰囲気を醸し出す望郷心をくすぐる雰囲気をもっており古今東西でNO.1の曲といえます。

今回聴きましたのはフランス出身で往年のチェリストであるピエール・フルニエが独奏をつとめ、ジョージ・セルベルリン・フィルのコンビがバックを飾る演奏となっており昔から非常に評判の高い演奏として有名です。(1962年録音)

実はこの演奏かなり昔からもっていたのですが、聴いた覚えがなく?????[???i???j今回始めてじっくり聴いてみた次第です。

まず聴いてみて感じたのはフルニエのチェロが素晴しい????????。とにかくフランス人特有のセンスがよく気品に満ちており優雅さを感じさせます。それでいて自己主張もしっかりしており多少豪快さも加わって絶妙なバランスの上でチェロが奏でられています。

セルはいつも通りアンサンブルを引き締めてシャープな指揮をしており、ベルリン・フィルの音はよく鳴っているが当時としては重量感に欠けるきらいもあり、全体のバランスとしては贅肉を削りすぎたような気がします。(これは好みの問題ですからセルのファンには違和感がないのかもしれません)


フルニエの独奏部分が終わったあとのオーケストラが軌道修正をするかのようにテンポを調整している感じがします。これは自由奔放なフルニエに対して正確にピッチをきざみたいセルといった図式が見えますが結果的に主導権をどちらがとっているかは微妙なところです。ただ最後はピッタリ合わせて壮大なクライマックス築いていくあたりさすがです。

両巨匠の自己主張をしっかりした個性の出た演奏で充分聴き応えがありました。やはり名盤に偽りなしですかね。


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タグ:フルニエ
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2008年02月15日

ブラームス ピアノ協奏曲第1番/ルービンシュタイン&メータ

しみじみ聴き入ってしまいました。


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ブラームス ピアノ協奏曲 第1番 ルービンシュタイン(p) メータ&イスラエル・フィル

20世紀を代表するピアニストの一人であるルービンシュタインが引退する1976年(89歳)に録音したのが今回の演奏。

ルービンシュタインはホロヴィッツのようにテクニックで聴く物を圧倒するピアノではなく、聴かせ上手なピアノで聴く者を魅了するピアニストでした。ホロヴィッツはどんな難曲でも「いとも簡単に弾いてしまうタイプ」ならルービンシュタインはどんな簡単な曲でも「一生懸命に弾いているように聴こえるタイプ」といえるでしょうか。

ブラームスのピアノ協奏曲第1番は20代後半に書かれた作品で後年の渋さより覇気とか勢いなどが感じられ聴き応えも充分な大作。交響曲的ともいうべき第一楽章、歌にみちた第二楽章、ピアノが奏でる上方する旋律から始まる推進力のある第三楽章から出来ております。

第一楽章、演奏はオーケストラによる出だしからメータ&イスラエル・フィルの気合が入っておりなかなか。そしてルービンシュタインのピアノが静かに入ってきます。奏でられるピアノは(多少)濁っておりテクニック的にも衰えが感じられますが、音自体は訴えかけてくるものがあり心に響きます。生々しいとも思える音はあの華麗なルービンシュタインの演奏からは想像できません。一音一音自分自身に語りかけているような、人生を振り返っているような感じさえ受けます。第二楽章の淡々とした語らい、第三楽章は最後の力を振り絞って曲と対峙している気迫があり自らのラストメッセージを観客に伝えているかのようです。

過去に何度か聴いていますが巧くないけど非常に耳に残る演奏です。特に第一楽章、第三楽章のピアノの出だしは何ともいいがたい深い音です????????

メータの指揮は多少荒っぽいところがあり緻密さに欠ける部分もありますが覇気が感じられうまくバランスとっています。(60年代〜70年代にかけてのメータは輝いていましたね)録音は普通(デッカとしてはもう一歩かな)。

技術的、完成度などで考えるならライナーと競演した演奏の方がよいでしょうが、円熟した芸術としてそういった部分を越えた味わい深い演奏で自分としてはこちらの方を高く評価したいと思います。89歳にしてこの大曲に挑むあたり立派です。


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2008年02月06日

ロドリーゴ アランフェス協奏曲/福田進一

何度でも繰り返して聴きたくなるそんな演奏です。





ロドリーゴ アランフェス協奏曲、他 福田進一(g)飯森範親&ヴュルテンベルク・フィル

ロドリーゴのアランフェス協奏曲はギターの有名曲。第2楽章のスペイン情緒を含んだ哀愁漂う旋律などは有名で、曲自体も簡潔に書かれているため誰でも聴きやすい曲といえます。アランフェスといえばイエペスの演奏が定番となっております。

今回はベテランギター奏者である福田進一が演奏したアランフェス。バックはこちらも日本人指揮者飯森範親ヴュルテンベルク・フィルのコンビとなっております。

日本人コンビの演奏ということで期待せずに聴いたのですが予想以上の出来栄えに驚きましたexclamation。聴いた印象は誠実な音づくりの中にしっかりとスジを通している演奏といった感じでしょうか。

福田進一のギターは技巧を前面に出すスタイルではなく、オケとのバランスや曲の全体像を考えながら一音一音しっかりとパリッと弾いており好印象????????。「アランフェス協奏曲」が「ギター協奏曲」でもある一面に気づかせてくれます。飯森範親の指揮は丁寧でヴュルテンベルク・フィルのやや硬派なドイツ的な響きともあいまって演奏を引き締めています。

録音も切れ味があり優秀で満足。スペイン情緒などの甘美な部分は後退していますが知らないうちに何度もリピートして聴ける演奏で「クラシックファン向けの大人の演奏」といった感じでしょうか。一度SACDで再生して聴いてみたいですね。


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タグ:福田進一
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2008年01月29日

ブラームス ヴァイオリン協奏曲 ユリア・フィッシャー

巨匠もいいですが若手演奏家もなかなかです。





ブラームス ヴァイオリン協奏曲 ユリア・フィッシャー(vn)クライツベルク&オランダ・フィル

ユリア・フィッシャーはドイツ出身の若手女流ヴァイオリニスト(1983年生まれ)。実力もなかなかでグラモフォン・アワーズ2007アーティスト・オブ・ジ・イヤーに輝いています。そのフィッシャーが挑戦するのが「ブラームス ヴァイオリン協奏曲」ブラームス中期の傑作です。

演奏は全体を通して優秀な演奏という感じです。フィッシャーのヴァイオリンはテクニックが突出している訳でもなく、スケールが大きいという訳でもないです。しかし曲調にあった音の響きとなっており非常にバランスのよい音となっており、どの音も自分というものを主張した音となっており妙に説得力があります。このあたりはセンスのよさが光っていますね?????????i?V?????j

特にフィッシャーの演奏が成功していると思われるのが第2楽章、女性特有のデリケートな響きとなっており繊細さのなかに生命力もあります。両端の楽章は力強さやヴァイオリンの安定度では今一歩の部分もありますが、独奏部が主張しにくいブラームスの協奏曲で(全体のバランスを崩さない程度に)さりげなく自分を表現しており、誠実なスタイルも含めて非常によい演奏だと思います????????


クライツベルク&オランダ・フィルのサポートも非常にオーソドックスなものでまずまず。フィッシャーの音が軽量な分、オーケストラが重量感でバランスをとっている点も評価できます。録音もソロ・ヴァイオリンのとらえ方もよくよいと思います。

多少個性に乏しいところはありますが、若手特有の爽快感があり心地よい演奏です(とにかく聴きやすい)。全体のバランスも悪くなくブラームスは渋いと敬遠している人には特にオススメです。

ユリア・フィッシャー今後の成長に期待大です。




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2008年01月11日

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 ガヴリーロフ(p)ムーティ

ある一面を徹底的に強調すると個性的な演奏が生まれます。






ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番、パガニーニ狂詩曲 ガヴリーロフ(p)ムーティ&フィラデルフィア管


ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番はポピュラーな名曲。フィギュアスケートなどでもよく使われています(曲がブチブチ切れて前後するので結構イライラするのですが)。

甘くロマンティックな曲調が特長ですのでいたしかたないのですが、結構胃にもたれる演奏が多いです。演奏者はその点を考慮して仕上がりを軽めにしたり、オケの響きを淡くしたりと一工夫加えるのが普通です。

ところがロマンティックな曲調をパワーアップして演奏しようとしているのがガヴリーロフ&ムーティのコンビです。

まずは協奏曲の出だしからガヴリーロフはアクセル全開exclamation。とにかくバリバリ弾いていきます。ピアノという楽器をとにかく鳴らす事を前面においた演奏で聴くものを圧倒していきます。当然繊細なニュアンスは後退しておりますが、メカニカルともいえる徹底的な弾きかたは「ここまでやれば立派」という他にはありません。パワフルなスタイルはラフマニノフの技巧的なスタイルに合っておりましてこの場合成功していると思います。

これをサポートしているのがムーティ&フィラデルフィア管弦楽団の演奏。もともとこのコンビ甘い音がする傾向にはあったのですが、ここでは一般的に濃いといわれるロシア人指揮者よりも濃厚で甘美な演奏をしております。強弱のつけ方、間の取り方などとにかく濃い響きとなっております。

ガヴリーロフの華麗で精密なピアノムーティの濃厚なロマンティックなバック。これが融合すると「ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番」の究極系ともいうべき演奏になっております。いってみればイチゴショートケーキのデコレーションを華やかにさらに甘くしたような仕上がりとなっております。

何事も徹底的にやることで凄い演奏が生まれる事があると感心したしだいであります????????


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2008年01月10日

ヴィヴァルディ 協奏曲集《四季》 イ・ムジチ/アーヨ

定盤ってなんだかんだといっても凄いですね






ヴィヴァルディ 協奏曲集《四季》、他 イ・ムジチ合奏団・アーヨ


正直申しまして自分はヴィヴァルディなどのバロック音楽はあまり聴きません。近頃ipodをシャッフルして聴いていまして暫くぶりにイ・ムジチの「四季」を聴く機会に恵まれました。

この演奏は怖いぐらいに自分の心に響いてきます。なにせクラシック好きの叔父にすすめられてLPで最初に聴いたのがこの演奏。一つ一つのニュアンスまで体にすりこまれており他の演奏を聴いても”イ・ムジチの演奏とここが違う”と思ってしまうほどです。

曲調はイタリアの空を思わせるようにすがすがしく、歌心もありテンポも軽快です。とにかく演奏者たちの音のキャッチボールが絶妙で心地よい名曲のしらべが奏でられます????????

名曲だけにたくさんの演奏があり、それぞれに創意工夫、斬新さなどを重ねたものとなり非常に楽しいのですが、結局ここに帰ってきてしまう自分がいます(叔父を怨むべきか)。

「四季」を世間に広めたベストセラーの演奏でもあり、今でも固定的なファンが多いのではないでしょうか。これこそまさに「定盤」ですね。

聴きなおして思ったのはステレオ初期の演奏にもかかわらず録音がいいこと、基本的な部分をしっかりつくってあるからこそ長く親しまれるのでしょう。



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2007年12月17日

ニールセン フルート、クラリネット協奏曲 パユ、マイヤー

冬はやっぱり北欧の音楽が似合いますね。






ニールセン フルート協奏曲、クラリネット協奏曲、他 パユ(Fl)マイヤー(Cl)ラトル&ベルリン・フィル

日本で北欧の作曲家といえばシベリウス、グリーグですが、デンマークの作曲家であるニールセンも世界的に見れば著名な作曲家と言えます。

そのニールセンが親しかった管楽五重奏団との親交の中から生まれた曲集が今回紹介するCDです。

フルート協奏曲 パユ(fl)ラトル&ベルリン・フィル

クラリネット協奏曲 マイヤー(cl)ラトル&ベルリン・フィル

管楽五重奏曲 パユ(fl)、マイヤー(cl)、バボラーク(Hrn)他


収録曲の構成は、フルート協奏曲は2楽章で構成され、伴奏からはフルートが省かれている事が特長。クラリネット協奏曲は単楽章で構成され、クラリネットが省かれているのはもちろんの事、弦楽+ファゴット&ホルン+小太鼓という小編成となっており共に非常に室内楽的響きのする協奏曲。軽快で楽しくそれでいて曲として充実している管楽五重奏曲の3曲からなり管楽器の音色を堪能できます。

演奏に関しては協奏曲でソロを担当している二人(パユ、マイヤー)が非常に巧くラトルの指揮もキビキビしており非常に素晴しいものになっております。曲自体も密度が濃く完成度高い曲で聴き応えも充分。録音もEMIとしては上出来の質となっており、聴いていて満足感の高いものです????????。二曲目のクラリネット協奏曲の静かな終わりと共に心地よい余韻が残ります。

管楽五重奏曲は協奏曲以上に管楽器の名人芸の競演となっており、幸せな気分になってきます。個人的にバボラークの芸達者さには圧倒されました。管楽のアンサンブルというのは得てして物足りなく感じることも多いのですが、この曲に関しては曲、演奏、録音とも出来がよく誰が聴いても楽しめる演奏となっております。

木管を愛する人、北欧の音楽を愛する人は必聴のCDだと思います。
(自分が最近一番聴いているのがこのニールセンの演奏です)



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2007年12月08日

ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲第1番 アルゲリッチ&ナカリャコフ ヴェデルニコフ

人間年齢を重ねると円熟味が増すといいますが当てはまらない人もいるようで。





ショスタコーヴィチ ピアノ協奏曲第1番、ピアノ五重奏曲、他 アルゲリッチ、ナカリャコフ、マイスキー、ヴェデルニコフ&スイス・イタリア語放送管、他


アルゲリッチが「2006年ルガノ・フェスティヴァル」で演奏したショスタコーヴィチが発売されていたのでさっそく聴いてみました。

聴き始めて数秒で「ビックリ????????

いきなりアクセル全開、アルゲリッチ節炸裂exclamation

60歳を超えてこの推進力にパッションとはやっぱりモノが違うと感じました。

この「ショスタコーヴィチ/ピアノ協奏曲第1番」はトランペットも活躍する協奏曲となっており、かなり聴き栄えのする曲であり、全体的に渋く暗いショスタコーヴィチの中でも聴きやすい曲になります。

アルゲリッチはフェルバー&ハイルブロン・ヴュルテンベルク室内管弦楽団<1993年盤>で同曲を録音しており、それも素晴しい演奏だったのですが、今回はそれをはるかに凌駕する出来となっております。

ナカリャコフのトランペットもクールでなおかつ巧くアルゲリッチのパートナーとしてはグッド。ヴェデルニコフ&スイス・イタリア語放送管のコンビも突進するアルゲリッチを熱く支えておりライブ特有の高揚感が満喫出来ます。

しかしアルゲリッチのピアノはやっぱり凄い、あのシャープさや切れ味のよさは誰にも真似出来るものではないです。さらに第2楽章などの味わいも深くなっており聴き応えも充分、お腹も満腹????????

他に入っている2曲もどちらも好演。特に後者の「ショスタコーヴィチ/ピアノ五重奏曲」は決定盤と呼べる演奏だと思います。(まあ曲はちょっと暗いですけど)

録音もライブとは思えないほどよく非常に満足しました。


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2007年11月12日

ラヴェル ピアノ協奏曲集 フランソワ

ラヴェルは言わずと知れたフランス人作曲家ですが、現在演奏されるラヴェルはインターナショナル的な演奏が多く模範的になってきているような気がします。





ラヴェル ピアノ協奏曲集 フランソワ(p) クリュイタンス指揮 パリ音楽院管弦楽団



フランソワ
はフランス色を残していた最後のピアニスト、クリュイタンスは真摯な演奏でエレガントに曲を指揮する指揮者、パリ音楽院管弦楽団はパリ管が出来る前に存在したフランスの息吹を感じさせるオーケストラ、この三者がフランス物のラヴェルを演奏してみるとどうかといいますと、最高です????????

ラヴェルのピアノ協奏曲はモダンでチャーミングな曲で、みずみずしさを感じる曲です。このチャーミングは演奏者「フランス風のセンス」の差によってかなりの開きが出ます。また個人的には独奏者を選ぶ協奏曲だと思います。だからといってはなんですが(自分が知る限り)ポリーニとかブレンデルは演奏していないです。

フランソワはセンスの塊のような人で、曲によって向き不向きがはっきりしておりますがことラヴェルに関しては相性はバッチリと言えます????????

ラヴェル自体流暢に作曲しているように感じられますが、フランソワは得意の「崩し」をしておりまして、これがツボにはいってものすごく巧いのです。さらっと弾いているようですがフレージングが個性的だったり、テンポを変えながら弾いているのに曲調に非常にマッチしていたりとフランソワ節exclamation炸裂といったところです。他のピアニストにはまね出来ないピアノです。


自分はこの演奏を聴くと「フランスの香り」を感じます。それはフランソワの強烈なピアノ(彼にしては真っ直ぐ弾いている方なのですが)と、それを温かい目で見守りながらがっちりサポートしているクリュイタンスの指揮、さらにパリ音楽院管弦楽団の何ともいえない独特の音色が極上にブレンドされているからなのでしょう。まさにフランスのカフェといった感じです。

このような演奏こそ、お国訛りが減っている今日貴重な演奏の記録として語りつがれるべきだと思います。


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2007年10月31日

エルガー ヴァイオリン協奏曲、あげひばり ハーン

曲の良し悪しは長さに依存するわけではないです。以前アルゲリッチのコンサートに行ったときに30分の協奏曲よりアンコールで弾いた3分の小品のほうでお腹いっぱいになった事がありました。





エルガー ヴァイオリン協奏曲、ヴォーン・ウィリアムズ あげひばり ヒラリー=ハーン、デイヴィス&ロンドン響


個人的に最近の若手ヴァイオリニストで気に入っているヒラリー=ハーンの演奏によるイギリス作曲家集。

メインはエルガーのヴァイオリン協奏曲なのですが、この曲難易度が高く(渋くて地味な)エルガー節が強烈に出ている曲なので、音楽的には充実している作品なのですが聴いた印象はどうしても「あか抜けない曲」といった感じになります。

ここでのハーンは高い集中力で(多少線が細い面がありますが)この難曲を弾ききっています。バックのコリン・デイヴィスもエルガーの意図をよく理解した指揮ぶりでサポートしています(これをイギリス的格調高き演奏というのでしょうか)。でも聴いていてモヤモヤした気分が残るのはいたしかたないのでしょうか?????[???i???j


さてそのモヤモヤを吹き飛ばしてくれる素晴しい曲がカップリングとして入っております。そう「ヴォーン・ウィリアムズ あげひばり」です。

自分は輸入盤を購入したので”The Lark Ascending”と書いてあって何の事が分からず聴きはじめたのですが、聴き始めて思ったのが「鳥が羽ばたいていくような曲だ」という事でして、これが「ひばりが大空へ羽ばたいていく姿」を曲にした作曲者の意図と一致しておりまして後で調べて驚いたのを覚えています。

ひばりが空を飛ぶさま、森や風などの描写など中世ヨーロッパの風景を連想できるようで素晴しい曲です。特にハーンのヴァイオリンが線が多少細いことがこの曲にプラスに働いておりいつまでも終わってほしくないと思わせる演奏となっております。

この「あげひばり」は15分程度の小品ですが、自分などは最後ひばりが大空高く羽ばたいて行くところなどは曲が終わっても「余韻」にひたり満足感は大曲を凌駕するものだと感じました????????

みなさんも一度聴いてみる事をオススメします。


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2007年10月18日

ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第1番 サラ・チャン

ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲はあまり女性向きではないとよく言われます。それは繊細さ美しさといったものが求められない曲調であるからかもしれません。






ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲第1番 サラ・チャン(vn)ラトル&BPO





サラ・チャンのショスタコーヴィチを聴いたときは驚きました。exclamation

これほどダイナミックかつ豪快になおかつバランスよく演奏しており特に大きなミスもなく、自己主張もしっかりしながら演奏しているところなど若手女性ヴァイオリニストとはなかなかです。

ひたすら前向きに演奏しており、カデンツァなどは壮絶でまるで「心の叫び」を聴いているようです。

この演奏の成功にはラトルがチャンの解釈を理解した上で巧みなバトンセンスで非常にバランスのとれた指揮をしている点と、それに答えられるベルリンフィルの技量があったからこそ。それにライブ録音と言う独特の緊張感が生んだ演奏でしょう。

演奏家、指揮者、オーケストラが三位一体となって演奏しており一聴に値する演奏となっていると思います。

しかしサラ・チャンの強烈な個性、今後も注目です


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