2008年04月18日

ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第7番/諏訪内晶子

久々の新譜です





ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第9番『クロイツェル』、第7番 諏訪内晶子(vn)アンゲリッシュ(p)

諏訪内晶子 & Nicholas Angelich - Beethoven: Violin Sonatas Nos. 7 & 9

ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは「春」や「クロイツェル」が有名ですが他の曲はあまり聞かれない曲が多いように思います。(そんな有名ではない)「ヴァイオリン・ソナタ第7番」が本日聴いた演奏。この曲は4楽章構成といい曲調といいベートーヴェンが作曲したヴァイオリン・ソナタで一番ベートーヴェンらしい曲と個人的には思っており結構よく聴く曲であります。

今回聴いた演奏は久々に録音に復帰した諏訪内晶子のヴァイオリン、ピアノ伴奏はアンゲリッシュ(2008年1月録音)

第1楽章の冒頭からちょっと驚きました。諏訪内晶子の奏でるヴァイオリンの音色の印象が以前とは違う感じがしたからです。以前の諏訪内晶子は一言でいってクール、曲との距離をおきながら「さらっ」と弾くのですがこれが独特の味わいがあって非常に語ってくるものが多い演奏でした。しかし今回の演奏はクール+ホットといった音となっており、以前は聴かれなかった激しさなどの感情が音に反映されておりより人間的な熱さを感じる演奏となっております。

こういった方向性は穏やかな第2楽章や跳ねるような第3楽章よりベートーヴェン的な激しさのある両端の楽章に顕著にあられております。このあたりは結婚・出産を経験することでなにがしか心境に変化があったからでしょうが、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタを演奏するにあたっては「巨匠に自分をさらけだして挑戦」というのはプラスに働く面が大きいのではないかと思います。

ピアノのアンゲリッシュは達者なピアノです。このコンビでヴァイオリン・ソナタ全集を録音していくようで、最初に重量級の「第7番&第9番」のコンビをもってくるあたり並々ならぬ思いが込められていそうです。

さてどのような全集になるのでしょうか次の演奏が発売されたらまた聴いてみようと思います。





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2008年03月17日

エルガー ヴァイオリン・ソナタ/五嶋みどり

なかなか渋い曲です





エルガー ヴァイオリン・ソナタ他 五嶋みどり(Vn)、マクドナルド(p)

世界的に活躍する女流ヴァイオリニストの代表格、五嶋みどり。その彼女がイギリスの作曲家エルガーのヴァイオリン・ソナタを演奏したのが今回聴いた演奏。伴奏ピアニストはおなじみのマクドナルド

このCDカップリングされているフランクをメインで購入したのですが、聴いてみて満足したのがエルガーのヴァイオリン・ソナタでありました????????

どの曲も渋いながら独自の味わいがあるエルガー。でもこのヴァイオリン・ソナタにおいては社交性があるといいましょうか、格調もありながら親しみもある曲に仕上がっております。出だしのヴァイオリンによるたくましい旋律からして一般的なエルガーの印象とは大いに異なっています。第二楽章の優しくもはかない旋律が印象的。

五嶋みどりさんのヴァイオリンはいつもながら気品にあふれており折り目正しくエルガーの世界観に合っていると思います。マクドナルドによる伴奏も非常に厳格でかちっとした感じでよいですね。(この厳格さがフランクでは”おもしろみに欠ける”感じにつながっているのは皮肉ですが)

今まで知らなかった名曲に出会えるのは幸せな事です。この出会いによりエルガーの他の曲も聴いてみたいという気分になりました。まずは「エルガーのヴァイオリン・ソナタ」の他の演奏と思ったのですが、あまりCDが出ていないらしく残念です。

このようなめずらしい曲を演奏してくれた五嶋みどりさんに感謝です。


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2008年03月03日

シューベルト 弦楽四重奏曲13「ロザムンデ」/アルバン・ベルクQ

シューベルトといえば歌曲が有名ですが、その次に聴くのをおすすめしたいのが「室内楽曲」ですね。





シューベルト 弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」・第14番『死と乙女』 アルバン・ベルク四重奏団


シューベルトの生前に唯一出版された弦楽四重奏曲であるのが弦楽四重奏曲第13番「ロザムンデ」。このサブタイトルは第二楽章の旋律が劇音楽「ロザムンデ」内の間奏曲の主題からとられていることに由来します。この主題はシューベルトもお気に入りだったのかピアノ曲の「即興曲 Op.142」の3曲目にも使われておりこちらで聴いた事がある人も多いのではないでしょうか。

今回聴いたのはアルバン・ベルク四重奏団です。(というか手元にはこの演奏しかないですが)1984年に録音されたものです。

第一楽章の出だしから暗く不安げな旋律で曲が始まります。しかしそこは歌の人であるシューベルト、すぐに優しげな旋律が受けてくれます。この不安と優しさが揺れ動いていくのがこの楽章の特長、展開部での曲の盛り上がり方も自然でアルバン・ベルクQのシャープな強奏が曲を引き締めております。

第二楽章は「ロザムンデ」の旋律が出てくる温かみのある楽章でほっと一息。第三楽章はメヌエットなのですが一般的な明るいイメージではなく暗雲が立ち込める空を見るように暗く不安げな楽章です。途中一瞬光もさすのですが最終的には不安な要素を残したまま楽章を終えます。この両楽章はアルバン・ベルクQが明るさ暗さを巧く弾き分けており各楽章の印象が明確になっている感じがします。

第四楽章は舞曲風の旋律にのって曲が始まります。曲調は不安げに暗い印象も残すのですが、前楽章のような否定的なものではなく肯定的な雰囲気があります。このもの寂しげながら聴いていて非常に魅力的な楽章で終楽章にふさわしいものであると思います。ここでのアルバン・ベルクQは揺れ動くリズムを軽くならないように軽快に弾いており絶妙な音色となっております。

この「ロザムンデ」はシューベルト特有の不安定でモヤモヤ感が漂う曲ですが、旋律に歌があり一つの詩の世界を追体験しているような錯覚を覚えるような曲であります。弦楽四重奏曲としては旋律も親しみやすいですし誰でも楽しめると思います。アルバン・ベルクQの演奏もいつもながら素晴しい、甘くなりがちな曲をうまく引き締めながら伸びやかに演奏しており、ちょっと肩の力を抜いて弾いているような気がします(実際はそんな事はないでしょうが)。

シューベルトは内向きの曲(室内楽曲、歌曲)に適性があるのかなと思わせる曲でした。



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2008年02月18日

ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第5番「春」 デュメイ&ピリス

毎日雪の中で生活していると現実逃避したくなる日もあります





ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第5番『春』 デュメイ(Vn)、ピリス(p)

ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第5番『春』」は出だしの旋律が有名な室内楽曲。4楽章構成でしっかりと作曲されており聴き応えも充分にある名曲。演奏は名デュオといっても過言ではないデュメイ(Vn)、ピリス(p)のコンビによるもの。

この「春」に限らずベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは全体的に言える事ですが、自身がピアノの名手であったせいかピアノに対する比重が高い傾向がありモーツァルトなどと比べるとバランスが悪い感じがします。そのあたりを奏者がどう考えて演奏するかも楽しみの一つなのですが。

デュメイは出だしの有名な旋律から思いっきり弾いており、かつ音も美音????????で聴き手を引き寄せます。どのフレーズもよく歌っておりまさにヴァイオリン・ソナタといった感じです。それにピッタリ合わせるのがピリスの絶妙なピアノ。伴奏に徹してしまうと曲の中に埋没しかねないですが「出すぎず引きすぎず」とバランスを巧くとっておりこのあたりはさすがです。第2楽章以降はデュメイもアクセル全開からバランス重視へとシフトチェンジしており、4楽章全体を聴いてみると見通しがよく非常に満足感が強いです。

出だしでヴァイオリンが前面に大きく出ていることで、曲全体としてのヴァイオリンが多少弱い部分が感じられなくなっており演出的にも成功ではないでしょうか????????

下手にはみ出すような音もなく、このコンビはいつもながらお互いの音によく耳を傾けているなあと思います。録音も素晴しいですね。

季節的に春はまだですが気分的には暖かくなりました。





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2008年02月05日

ブラームス/弦楽六重奏曲第1番 アルバンベルク他

室内楽曲は名盤でもすぐに廃盤になります?????????`?i?????????j

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ブラームス/弦楽六重奏曲第1番 アマデウス・アンサンブル&アルバンベルク四重奏団メンバー


ブラームスは自己にも厳しい人であったようで、室内楽の作曲を定番というべき弦楽四重奏曲を作曲する前に弦楽六重奏曲から始めた事からもよく分かります。ベートーヴェンが一度高みにのぼったジャンル(交響曲、弦楽四重奏曲)に関しては慎重に準備を重ねた上で作曲している点など興味深いですね。こういうジャンルに乗り越えようとしてチャレンジしているあたり非常に意志の強い人だったように感じます。

今回聴いた弦楽六重奏曲第1番はブラームスが30歳を迎える前に書いた曲で後年の渋さなどより甘く牧歌的な旋律が基調となった曲です。特にヴァイオリン、ヴィオラ、チェロをそれぞれ二人とした構成は中低音域を巧く使うブラームスの特長が発揮しやすく聞き応えがあります。特に第2楽章が有名ですね。

さて今回の演奏はアマデウス・アンサンブル(アマデウスQの当時亡くなっていたヴィオラのシドロフを除いた3人)とアルバンベルクQの第一ヴァイオリンのピヒラーを除いた3人がヴィオラ、チェロを担当した六人からなります。

演奏を聴いてみると2つの四重奏団の特色がうまく融合しているように感じられライブの高揚感と共に優美なアンサンブルが奏でられます????????。アマデウスQのやや甘めの優雅な温かみのあるヴァイオリンの音色を、アルバンベルクQの技巧的でシャープなヴィオラとチェロの音色が引き締めており、ほどよい緊張感も加味されており充実した演奏となっております。各楽章の弾き分けも見事で若きブラームスの世界を堪能させてくれます。

しかしこのような演奏が発売されてもすぐに廃盤になってしまうとは悲しい限りです。もう一つ残念なのはアルバンベルクQが2008年で解散してしまうらしい事で時代の流れとはいえ残念です。(もう一度実演を聴いてみたいなあと思っていたのですが...)

ちなみに6月1日・2日(東京・サントリーホール)にて「アルバン・ベルク四重奏団 解散ツアー」が行われるそうですので興味のある方はどうぞ(行きたいなあ、でもきっと行けないなあ)


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2008年01月15日

チャイコフスキー 『ある偉大な芸術家の思い出のために』 アルゲリッチ

日本で録音されて発売されるCDは結構多いんですよね。





チャイコフスキー 『ある偉大な芸術家の思い出のために』、他 アルゲリッチ、クレーメル、マイスキー

アルゲリッチ、クレーメル、マイスキーという世界的な3人の名手によって演奏されたチャイコフスキーのピアノ三重奏曲。この演奏1998年で東京で行われたライブ演奏がCD化されたもの。

自分はこの演奏には苦い思い出があります。丁度演奏が行われた頃仕事で墨田区におりまして、ホテルがコンサートが行われたホールのすぐ近く。しかし仕事が忙しく行く事が出来ずコンサートが終わって満足そうに帰ってくる人並を遠くから寂しく見ていた覚えがあります?????[???i???j

演奏されている曲は『ある偉大な芸術家の思い出のために』という副題がついていますが、これは当時ロシアで活躍していた音楽界の重鎮ニコライ・ルビンシテインが亡くなったため、日頃親しく(喧嘩したり)していたチャイコフスキーがその思い出を音楽にした事からつけられたものです。

曲は出だしからもの悲しい旋律で始まります。この胸が締め付けられるような切ない旋律などはチャイコフスキーの真骨頂????????といえます。今回の演奏はメンバーがメンバーですから一人一人の主張がはっきりと示されておりスケールの大きな演奏となっています。その中でもアルゲリッチが主導権を握っており豪快なタッチでぐいぐい引っ張っているのはいうまでもありません。

火花が散るような演奏となっているのですが、意外とお互い余裕をもって演奏しているような雰囲気もありアンサンブルとして何気にまとまっています。特にクレーメルの全体を整えるバランス感覚は絶妙と感じました。少しチャイコフスキー特有のメランコリックな部分は後退していますが、パワー、スケール感、聴き応えどれをとっても素晴しく巨匠の芸術を堪能出来ます。これは第2楽章で顕著に表れており、特に変奏が進んでコーダに向かっていくあたりは圧巻の一言です。

これを聴くと仕事をサボってでもナマ演奏を聴きに行くべきだったなあと後悔してしまいますね。




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2008年01月04日

クレメラータ・ムジカ〜新ウィーン楽派の室内楽作品集

ウィーンの甘美なしらべの後にはちょっと辛口でも飲みやすい室内楽曲でも







クレメラータ・ムジカ〜新ウィーン楽派の室内楽作品集


ウィーンのワルツは日本人にはなじみやすいですが、「新ウィーン楽派の室内楽作品集」というとちょっと逃げ腰になる人は多いのではないでしょうか?

今回紹介するのはクレメールとその仲間たちが「新ウィーン楽派の室内楽」を演奏したCDです。


マーラー ピアノ四重奏曲
シェーンベルク ヴァイオリンとピアノのための小品ニ短調
ウェーベルン チェロとピアノのための2つの小品
ウェーベルン ヴァイオリンとピアノのための4つの小品
ベルク クラリネットとピアノのための4つの小品
ウェーベルン チェロとピアノのための3つの小さな作品
ウェーベルン チェロ・ソナタ
ベルク 室内協奏曲〜アダージョ
シェーンベルク 弦楽三重奏曲
シェーンベルク ヴァイオリンとピアノのための幻想


クレメラータ・ムジカ
ギドン・クレーメル(Vn)
オレグ・マイセンベルク(P)
ザビーネ・マイヤー(Cl)
ヴェロニカ・ハーゲン(Va)
クレメンス・ハーゲン(Vc)




ここで取り上げられるのはシェーンベルク、ウェーベルン、ベルクなど一般的には難解な作曲家達。でも演奏される曲は意外と聴きやすく「すっ」と響いてきます。それに各演奏者の達者な事exclamation、録音もよい出来です。

全編通じて一般的なクラシックのショートピースとして取り上げても違和感のない曲で、特にマーラーが室内楽曲を書いていた事自体驚きでした。曲も(素直で)なかなか美しく聴いていて心地よいです????????

新ウィーン楽派といえば一般的な聴衆を突き放したような学術的なイメージがありましたが、新たな一面が垣間見えてよかったです。

新ウィーン楽派はあまり胸を張ってオススメしませんが、この演奏は各曲の演奏時間も短く気軽にちょっと味付けの違う音楽を楽しむにはもってこいの一枚だと思います。(ジャケットも曲調に合わせて和やかですし)

ちなみに自分のお気に入りは「シェーンベルク ヴァイオリンとピアノのための小品ニ短調」であります。





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2007年12月10日

モーツァルト&ブラームス クラリネット五重奏曲 ウラッハ

本日は週末の長距離ドライブ疲れが残っておりまして、このような場合はゆったりした曲が聴きたくなります






モーツァルト&ブラームス:クラリネット五重奏曲 レオポルト・ウラッハ、ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団

クラリネットが奏でる室内楽の名曲である「モーツァルト&ブラームス クラリネット五重奏曲」。クラリネットの曲調が落ち葉舞うこのシーズンにピッタリの曲です。

演奏者は往年のウィーンフィル首席奏者であったレオポルト・ウラッハとウィーン心あふれるウィーン・コンツェルトハウス四重奏団のコンビによるもの。録音は1951年のモノラル録音です。

ウラッハのクラリネットはやや渋めのトーンでいて格調高くエレガント、それにウィーンの香りただようウィーン・コンツェルトハウス四重奏団のバックが上手く溶け合い、非常に感銘深い演奏を行っております。演奏はどちらも甲乙つけがたいですが、ブラームスの方がウラッハのクラリネットに合っていると思います。

技術うんぬんなら現代の奏者のほうが上手でしょうし、音だけならデジタル録音の方が鮮明に再現してくれます。しかしこの演奏は50年前にしか出来ない演奏、この曲の原点のような存在のような気がします。まさに名盤という名にふさわしい演奏です。

あまり空間を感じないダイレクトな録音は個々の音を楽しむ室内楽の場合はプラスにはたらく場合がありますが、今回はまさにそれにあたる演奏、各演奏者の艶やかな音色のハーモニーが体験できます。

しかしいつ聴いても出だしの一音目を聴いた瞬間に心が温かくなり懐かしい気分になる演奏です????????。本日はゆっくり聴いて疲れをとりたいと思います。

今回は自分が聴いているウエストミンスター盤で紹介しています。音質にこだわる方はユニバーサルミュージック盤と比較検討も考慮に入れた方がいいのではないでしょうか。



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2007年11月17日

シューベルト ピアノ五重奏曲《ます》レヴァイン(p)

秋に聴くシューベルト非常に合うと思います。





シューベルト ピアノ五重奏曲《ます》レヴァイン(p) ヘッツェル(Vn) 他

シューベルトの曲《ます》はピアノと弦楽セッションのバランスによって曲の印象がかなり変わる場合が多い曲です。

今回取り上げる演奏は、指揮者としても活躍しているレヴァインのピアノにかつてのウィーン・フィルの名コンサートマスターであるヘッツェルなどのメンバーによるもの。

まず聴いてみると、通常前面に出てくる場合が多いピアノが控えめに弾かれています。バリバリ指揮しているレヴァインにしては予想外の演奏でちょっと意外な感じがします。

しかし曲が進むごとにこの演奏に秘められた意図が明らかになってきます。ここでめざしたのは「バランスのよいハーモニーで奏でる<ます>

ヘッツェルのヴァイオリンなどの各パートの音のバランスが非常によく、それでいてみな美しい音で曲を奏でているためすがすがしい演奏となっています????????

特に個人的にはヘッツェルのヴァイオリンの素晴しさには脱帽????????、これだけ我を前面に出さずに主張できるとは立派だと思います。

これだけ心地よく聴ける<ます>というのはなかなかないですね。レヴァインも含めて六重奏曲とも呼べる演奏であり、音楽の原点であるのがアンサンブルである事に改めて気づかせてくれた演奏でもあります。


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2007年10月19日

シベリウス/グリーグ:弦楽四重奏曲、他 エマーソン弦楽四重奏団

最近寒くなってきましたが、北欧の音楽が似合うシーズンとなってきました。





「親愛なる声」 シベリウス/グリーグ 弦楽四重奏曲、他 エマーソン弦楽四重奏団

北欧の作曲家で双璧と言えばシベリウスとグリーグですが、彼らの音楽で室内楽はあまり聴かれる事はありません。

現在活発に活動を行っている弦楽四重奏団の一つであるエマーソン弦楽四重奏団が録音した曲は、シベリウスとグリーグの弦楽四重奏曲。

この北欧の冬の海を連想させるジャケットに惹かれたのと、めずらしい曲である事から思わず買ったCDです。????????

まずグリーグの弦楽四重奏曲から始まるのですが、これがまた何ともグリーグらしい曲で、緻密な感じではなく親密で優しい感じのする曲で聴いていて何かなつかしさを感じる曲となっています。エマーソンQも絶妙なアンサンブルで優しく演奏しています。

ニールセンの曲をはさんで最後にシベリウスの弦楽四重奏曲が始まります。この曲はグリーグが北欧の自然の温かみを感じさせる曲とすれば、北欧の自然の厳しさを感じさせる曲となっており、やや暗い厳しい曲となっています。これは厳密に弦楽四重奏曲としてとらえれば出来はこちらの方が上ではないかと思いますが、曲は全体的に渋くなっておりグリーグの方が聴きやすいと感じる人が多いのではないでしょうか。シベリウスは玄人ごのみと言った感じです。エマーソンQもシャープなアンサンブルで巧みに演奏しています。

このCDをきっかけにこの北欧の両巨匠の弦楽四重奏曲がもっと人気が出てもおかしくないと思わせる演奏でした。何気に手に取ったCDでしたが大変に満足しました。????????


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2007年10月14日

フランク ヴァイオリン・ソナタ デュメイ&ピリス

室内楽のデュオには「融合型」と「対決型」の2種類があるような気がします。





フランク、ドビュッシー ヴァイオリン・ソナタ、他 デュメイ(Vn)&ピリス(p)

フランス系のヴァイオリン・ソナタでは人気の高いと思われるフランクの作品。デュメイ(Vn)&ピリス(p)のデュオによる演奏です。

この二人のスタイルは「融合型」、お互いの音を聴きながら絶妙の間合いとバランスでセンスのよい演奏をしております。

とにかく聴いていて心地よいですね。????????

デュメイが奏でるヴァイオリンの潤いある艶やかな音色と、ピリスが弾くみずみずしいピアノはフランクの曲にはピッタリです。

これだけ曲調はっきりとつけてバランスよく二人で演奏するのは難しいでしょう。普通どちらかが出すぎたり、どちらかが弱かったりするものですが。

フランクのヴァイオリン・ソナタは古今東西数多くの演奏がありますがまず最初に聴くスタンダードな一枚としてよいのではないでしょうか。

特に室内楽と言うと避ける人にはぜひ聴いてほしいです。聴くと温かい気持ちになれると思います。



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タグ:フランク
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2007年10月02日

モーツァルト ピアノ四重奏曲集 フォーレQ

室内楽を演奏する団体は弦楽四重奏の構成が多いように思います。






モーツァルト ピアノ四重奏曲集 フォーレQ

今回紹介するフォーレ・クァルテットはめずらしいピアノ四重奏団。

構成は、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロからとなっており1975年前後に生まれたドイツ人の若手からなっております。

数多いモーツァルトの曲でピアノ四重奏曲は今回初めて聴いたのですがなかなかの作品だと思います。(作品はフィガロなどを作曲した当時の曲ですから後期に入るのでしょうか)

ピアノ四重奏曲第1番の出だしから鋭い音でぐいっと惹きつけてくれます。演奏は一言で言って「スピーディーでシャープ」まさに若手らしくストレートな演奏で気持ちのよい演奏です。聴き始めると一気に聴かせてもらいました。????????

このメンバーから感じたのは4人一体となって演奏している感じがする事です。普通弦とピアノには多少距離を感じる演奏が多いのですが、非常にシンクロして演奏しており一体感が強いです。

自分は演奏が快適で時間も短いので何度かリピートして聴きました。そういえばアルゲリッチが「一度聴いた人は必ずもう一度聴きたくなるだろう」と言っていたのもうなずけます。


このピアノ四重奏団、次に何を録音するか楽しみです。


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2007年08月10日

ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲12番<アメリカ> ベルクQ

毎日暑いです。みなさんは弦楽四重奏曲と聞くと難しそうに聞こえませんか?

弦楽四重奏曲の最高峰はやはりベートーヴェンですが、内容も濃くて深いこともありいきなりこれを聴くのは辛いです。

dvo_arban.jpg

ドヴォルザーク 弦楽四重奏曲12番<アメリカ> スメタナ 弦楽四重奏曲1番 アルバンベルクQ

そこでオススメしますのが、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第12番<アメリカ>です。ドヴォルザークのアメリカ時代の曲は傑作が多いのですが、それで曲がポピュラーな名曲(新世界など)ぞろいです。

この曲はとにかくメロディが親しみやすいので聴きやすいです。
第一楽章の出だしのメロディーからほのかにボヘミアの香りを残した感じで一度は聴いた事があるはず。第二楽章の静かな曲をはさんで、第三・四楽章は明るくリズミカルで聴いていてワクワクします。

今回紹介しますのがアルバン・ベルク四重奏団によるライブ録音。彼らの演奏は民族性を強調したものではありません。しかし演奏のスタイルがシャープで切れ味がよく音も引き締まっていますのできりっとした演奏となっています。現代のアンサンブルを聴くにはよい演奏だと思います。

その他にはスメタナQの民族性の強い演奏やジュリアードQの演奏などがよいです。


カップリングのスメタナ/弦楽四重奏曲第1番はアメリカより曲調は渋いですがなかなかの曲です。こちらの方はアルバン・ベルク四重奏団は緻密さがさらに増しておりよい感じの演奏です。各楽章の色分けの仕方も見事です。ただし多少息苦しさを感じるところもあり、そういう人にはスメタナQ盤をオススメします。

とにかく弦楽四重奏曲一度は聴いてみてはいかがでしょうか?


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2007年07月29日

プロコフィエフ ヴァイオリン・ソナタ第1、2番 庄司紗矢香/ゴラン

今回は先日紹介しました「プロコフィエフ ヴァイオリン・ソナタ」の自分が聴いているCDについて紹介したいと思います。





プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1、2番 庄司紗矢香(Vn) ゴラン(p)

プロコフィエフの音楽性は日本人には難しいと以前も書きましたが、自分はこの曲集に関しては日本人の若手ヴァイオリニスト庄司紗矢香さんの演奏が気に入っています。

先日紹介したクレーメル盤もすばらしい演奏であります。ただし聴いていると上手すぎるがために味付けが濃すぎると感じる事があります。そういう時に出会ったのが庄司紗矢香盤です。

音が真摯で素直に鳴っており、聴いていてすがすがしささえ覚える演奏となっております。????????

この難曲をこれだけのパワーで演奏できるとは立派です。この演奏は日本人にしか演奏の出来ないプロコフィエフといえます。これだけ弾ける自信がついたからこそこのマイナーな曲を録音したのではないでしょうか。特に第1番が気に入っています。



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2007年07月27日

プロコフィエフ ヴァイオリン・ソナタ第1、2番 クレーメル/アルゲリッチ

ロシア出身の作曲家はチャイコフスキーに代表されるような日本人の郷愁を誘うようなメロディーを奏でる人が多いように思います。そういう面から考えるとプロコフィエフの音楽は日本人の感性を逆なでしかねない音楽です。一番日本人に向かない作曲家の一人ともいえるのかもしれません。アンケートとって一番好きな作曲家は、と聞かれて「プロコフィエフ」と答える人は少なそうです。(ちなみに自分はバルトークなのですが)





プロコフィエフ ヴァイオリン・ソナタ第1、2番 クレーメル(Vn) アルゲリッチ(p)

今回紹介しますのは「プロコフィエフ ヴァイオリン・ソナタ」です。

このヴァイオリン・ソナタは正直申しましてメロディアスでもなく、明るくない曲です。後期ロマン派というよりは現代音楽に近いですね。

でも聴いてみると分かるのですが、意外とグッと引き込まれる曲なのです。これは曲の構成や作曲技法の巧さによるものでしょう。

特にクレーメル(Vn) アルゲリッチ(p)ぐらいのコンビになると作曲者の意図を的確に、上手い味付けを行って演奏していますからさらに聴き手を引きつけます。

自分ならこの曲をプロコフィエフの最初に聴くにオススメします。これは少ない楽器でこの作曲家の巧さが分かるからです。いきなりオーケストラが鳴るような曲は単に不快なだけになりかねないですから。

プロコフィエフを最初に聴くには「交響曲第1番<古典>」などをすすめる人も多いでしょうが、これだと他の曲とのギャップが大きすぎてかえってマイナスではないかと。

まずヴァイオリン・ソナタ第1番を聴くのがよいのではないでしょうか。


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2007年07月07日

ブラームス ピアノ三重奏曲第1、2番 ピリス、デュメイ、ワン

クラシックで曲を好きになる理由はいろいろあるでしょうが、「この曲を聴いてみてよかった」というのもあるでしょうし、「この演奏を聴いたらすごくよい曲だった」というのもあるでしょう。今回紹介しますCDは後者の演奏を聴いて初めて曲を知ったものとなります。


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 ブラームス ピアノ三重奏曲第1、2番 ピリス、デュメイ、ワン

この演奏は室内楽のデュオとしてすばらしい演奏をしているピリス、デュメイコンビにチェロのワンを加えたトリオ演奏となります。自分はこのデュオの実演を聴いた事がありまして、それ以来すっかりファンとなっており、CDは必ず購入していました。

この演奏曲は全く馴染みがなく、ワンて誰?という感じだったのですが、1番の出だしの最初のフレーズを聴いたとたん、恥ずかしながら?????[???i???jしてしまいました。
何と言う温かい、心に響く演奏なんだろうと素直に感動しました。この演奏のワンのチェロはピリス、デュメイのデュオに自然に溶け込んでおり、トリオとしての相性は抜群です。それぞれが「自分が自分が」と主張する演奏も多いのですが、この3人は手を取り合って最高のアンサンブルを聴かせてくれます。ちなみにこの演奏を聴いて以来、ブラームスのこの曲は大好きな曲となりました。(初期の作品のためか後期の作品ほどの渋みもなく、誰でも聴きやすい曲となっております)

このCDはタワレコではもう販売されていないみたいですので在庫は少なそうです。興味のある方は見かけたらそく購入されることをオススメします。


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posted by やったくん at 23:29| Comment(0) | TrackBack(1) | CD評・室内楽曲 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする