拍手のルール 秘伝クラシック鑑賞術 茂木大輔
ごぶさたしております。
お盆のお休みも終了し本日からブログ再始動であります。
復帰一回目は軽めの記事から。
N響のオーボエ奏者、そして「のだめ」の音楽監修など多岐にわたって活躍している茂木大輔による「拍手のルール 秘伝クラシック鑑賞術」が今回紹介する本。
第1章 クラシック音楽には国境がある
第2章 演奏会の、気になるあれこれ
第3章 拍手のルール
第4章 指揮者式手配
第5章 名曲の個人情報
第6章 数合わせ 交響曲のカレンダー
全体的にクラシック初心者でも読みやすくという意図が感じられる内容。
特に第1・2章にそれが顕著に見られ読みやすい。コンサートに日頃行かないような人にはいいガイダンスにもなりそう。
今回の柱となる「第3章 拍手のルール」はやや論文調で細かく分析しており「よくまあここまで分けたものだ」とあきれるばかり。自分だけかもしれませんが、分析結果は眺めていてもどうも頭の中に入ってこない部類のようで読後に覚えていないのがなんとも。
今回の著書で「第4章 指揮者式手配」が一番楽しめる内容でした。これを読むと指揮者とオケ、さらにソリストの間にある微妙な立ち位置の違いや力関係がよく分かります。あと自分などは指揮者に絶対になれないと感じるのもこの章の特長。
なぜなら著者が言うに
指揮者には
ピアノ
ヴァイオリン、およびなにかの管楽器
聴音、ソルフェージュ
和声(対位法)
アナリーゼ(分析)
スコア・リーディング
指揮法
リハーサル方法の研究・経験
語学
がまず必要などと言われたら
冗談でも「指揮者をしたい」などと言えませんね
第5・6章は個人的に低調な内容と思われました。
「ベートーヴェン 交響曲第7番」は「のだめ」で取り上げられたからニックネームなしでも人気が出た。とか
ショスタコーヴィチの交響曲第10番以降は付録。などなど
昔からクラシックを聴いている自分などからすると「だから何?」な事が多い。ジャンルも交・管に偏っていてバランスが悪いのもマイナス要因。
この最後の2章、近頃人気作家の小説などにもよく見られる水増し(なくても全体に影響しない内容)であるようにさえ感じられました。
プロの音楽家が聴衆目線で書いた点は評価される著書でありましょう。個人的に章ごとの関連性があまりなく出来不出来が激しい点とN響中心の視点に感情移入出来ない点からのめりこむほどの熱中度はありませんでした(つまらないわけではないのですが)。
着眼点がよい第3・4章の内容をもう少し充実させて、ちょっと硬めの文章できっちりしめてくれたらかなり楽しめる読み物になっていたのではないかと考えると少々残念な本ですね。
本の出版におけるコンセプトの重要性を痛切に感じる一冊。
ラベル:茂木大輔

