ショパン ピアノ協奏曲第1番、第2番 小山実稚恵(P)、カスプシク&シンフォニア・ヴァルソヴィア
小山実稚恵によるショパンの新譜が今回聴いた演奏。
<収録曲>
ショパン ピアノ協奏曲第1番
ショパン ピアノ協奏曲第2番
独奏 小山実稚恵(ピアノ)
演奏 シンフォニア・ヴァルソヴィア
指揮 ヤツェク・カスプシク
2009年録音
※ナショナル・エディションによる演奏
ショパンを得意とする小山実稚恵、ただ協奏曲は初録音。この演奏ナショナル・エディションによる国内初録音(だったと思います。)
さて演奏を聴いてみた感じとしては、小山実稚恵らしく気持ちの入ったタッチが印象的、情に訴えかけるショパンといった感じでしょうか。
まずは「ピアノ協奏曲第1番」
小山のピアノはいい、力み過ぎずテクニカルに走り過ぎず、すみずみまで目の行き届いたタッチは極上。
ただカスプシク&シンフォニア・ヴァルソヴィアによるバックは直線的で単調、弾き慣れていない感じがあり小山の丁寧さを消してしまう結果となっているのが残念。さらに録音のバランスもピアノの距離感が安定していない部分があり微妙(SACD層ならいいのかもしれませんが)。
次に「ピアノ協奏曲第2番」
仕上がりとしては(圧倒的に)こちらの方がよい。オケパートが簡易であるためか多少落ち着いて演奏している印象があり、カスプシクらの演奏によるマイナス点が見えにくいのもあるのですが。
基本的に小山のピアノは自然な流れな語り口。これが若きショパンの憂いを再現するにピッタリと合っています。自然な語り口であるのですっきりとしたタッチ、濃厚さは余り感じられないので好みは分かれるかもしれません。
まあ小山のピアノ、録音とコンサートで弾く意義などを含めて弾き分けているところがあるので、濃厚さやパワーを求めるならコンサートでというところでしょうか。
オケとの掛け合いの妙が薄い演奏なので、第2楽章よりも第3楽章の方がより聴きごたえがあると思います。小山の変幻自在さにオケが振り回されている印象があるのもある意味即興的でよいかも。あと第1楽章の冒頭ピアノソロもいいです。
「ナショナル・エディション」ですが、個人的にピアノ協奏曲第1番の第1楽章に一番違いを感じました。オケのバランスやピアノの微妙なフレーズなどで違いがありまして、聴いていて慣れていないせいもあるのでしょうが、良い悪いという意味ではない違和感が強かったです(まあ慣れの問題なのですが)。今後のスタンダードになるかどうかはどうなんでしょうかね。
協奏曲というジャンル。独奏者、指揮者、オケが三位一体にならないと秀演にならないから難しい。今回は小山のピアノは魅力的な分、他の2つの要素が物足りなく感じられます。せめて小山実稚恵のピアノを前面に押し出すような録音だったらよかったのですが無念です。
ただ小山実稚恵のショパンとして聴くなら悪くない演奏だと思いますよ。個人的にはこの勢いで久々の「ショパン・ピアノ独奏曲」特にスケルツォ希望。

